本質から考えるコンプライアンスと内部統制
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
経営幹部のセクハラは一発退場!ハラスメント問題を考える
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(2)社会の変化から考えるハラスメント
國廣正(弁護士・国広総合法律事務所パートナー)
セクハラ、パワハラ、マタハラなど、ハラスメントにはさまざまな種類がある。その全てが法令違反というわけではないが、企業のリスク管理において、役員・経営幹部のセクハラは一発退場になるのが現在の常識となっている。では社会規範が日々変化する中、どのような言動が許され、あるいは許されないのか。また、その境界線をどのように捉えればいいのか。ハラスメントの問題について、コンプライアンスの観点から考える。(全6話中第2話)
時間:11分56秒
収録日:2023年1月16日
追加日:2023年5月10日
≪全文≫

●社会規範とレピュテーション・リスクのイメージ


 それではコンプライアンスの2回目についてお話していきます。

 第1回でレピュテーション・リスクという言葉について説明しましたが、これを分かりやすく絵にしてみました。ご覧ください。

 中央に赤いラインが引いてあります。そして円があって、上に「法令」、下に「法令違反」と書いてありますね。これがまさに法令遵守の世界です。法令、法律に違反すると罰金や行政命令、業務改善命令といった制裁が下されます。このようにして企業価値は毀損されます。

 しかし、企業価値を損なうものはそれだけではありません。第1回でお話したレピュテーションはこの法令よりもさらに広い概念です。先ほどの円の周りにアメーバ状に広がっている部分を見てください。上に「社会規範」と書いてありますが、これはステークホルダーが企業に求める行動規範を指しています。これは法令には規定されていないけれども、違反する行為をすると下にあるようにレピュテーション・リスクという実質的な制裁が加えられます。株価の下落、顧客離れ、優秀な学生を採用できなくなる、といった実際上の不利益、企業価値の減損が生じることになります。

 しかも、この社会規範は絵の通りに拡大していくものです。数年前と今とでは企業に求められるものがまったく違ってきています。

 例えば、環境問題を考えてみましょう。10年前、20年前という長い単位で見れば、環境問題に対する企業の取り組み意識は「まあ、それはやったほうがいいかもしれないけれど」といった程度のもので、あまり重要視されていませんでした。ですが、今では環境に反する行為は重大なレピュテーション・リスクになってきています。環境問題に関する社会規範は年々広がってきており、それを後追いするようにして法令も整備されてきました。今では環境法などに違反すると、法令違反になります。

 ですから、リスク管理を真剣に考えるならば、企業は日々拡大する社会規範をしっかりとフォローし、時代遅れにならないように細心の注意を払わなければなりません。これがまさにコンプライアンスの本質だと私は考えます。


●役員・経営幹部の「セクハラ」は一発退場になるのが現在の常識


 そして今回は、コンプライアンスとの関連から、特にハラスメントについて考...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
三枝匡
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(6)『閉された言語空間』の問題意識
江藤淳と喧嘩…加藤典洋『テクストから遠く離れて』の意味
與那覇潤
大谷翔平の育て方・育ち方(9)大きな使命感を持って
「野球人気の回復に貢献したい」――大谷翔平の強い使命感
桑原晃弥
新しいアンチエイジングへの挑戦(6)ビタミンとお米とアンチエイジング
日本人に必要な栄養素は?幹細胞治療をどう考える?
堀江重郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉