衰退途上国ニッポン~その急所と勝機
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
世界で最も自己投資しない日本人…もっとスキルアップを
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(6)流動的な労働市場で求められること
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
硬直的な日本の労働市場を流動化させるためには何が必要なのか。また、流動的な労働市場では何が求められるのか。企業の視点からいうと、一つのポイントは、賃金と労働生産性をリンクさせる賃金体系である。「成果主義」といわれるが、労働の成果に見合った給料体系にしていくことが流動的な労働市場では重要になってくる。実は賃金と生産性を等しくすると、企業にとっても労働者にとってもいいのだ。どういうことなのか。ということで、今回は企業、労働者個人、政府という3つの視点から、それぞれ必要なことを解説する。(全6話中6話)
時間:13分18秒
収録日:2023年6月30日
追加日:2023年12月5日
≪全文≫

●賃金と労働生産性をリンクさせる賃金体系の必要性


 日本の労働市場が硬直的であるという話をさせていただきましたが、ではどうしたら流動的になるのか。また、流動的な労働市場では何が求められるのかという話をさせていただきたいと思います。

 これは、経済主体ごとに行うことが変わってきます。企業の視点、労働者個人の視点、それから政府の視点という3つの視点から労働市場の流動化をどうやって進めていけばいいのか、また何が求められるのかを考えていきたいと思います。

 まず企業ですが、労働市場が流動化してくると、賃金の決め方を少し変えなくてはいけません。今まで日本の企業は年功賃金で、勤続年数に合わせて給料が上がっていくというシステムを使っていたわけですが、これでは都合が悪くなってきます。

 なぜかというと、流動的な労働市場ではマーケットで賃金が決まるようになっています。というのも、もし今働いている労働者が他の企業に移るとなると、自分の企業の賃金と相手の企業の賃金にギャップがあると、逃げてしまう。だから、市場の賃金を見ながら労働者にお給料を払わなくてはいけないという話になってくるわけです。ですから、賃金体系を少し変える必要があります。

 具体的にどう変えればいいかというと、賃金と労働生産性をリンクさせるように賃金体系を設定する必要がある。これは「成果主義」といわれたりしますが、労働の成果に見合った給料体系にしてくことが、流動的な労働市場では重要になってきます。

 賃金を生産性と等しくすると、実は企業にとっても労働者にとってもいいことがあります。それは何かというと、まず全ての人間が雇用機会に恵まれるようになります。日本の場合は年功序列型の賃金になっていて、若い頃には生産性よりも低めの賃金を支払う。一方、年配になってくると生産性以上の賃金をもらえる。これが年功序列型の賃金の特徴です。

 これでは、例えば年配の方を雇いたいと思ったときに、高いお給料を払わなければ雇えなくなってしまいます。でも、生産性以上の賃金を払ってまで雇うという企業はないのです。そうなると、高齢者は雇用機会に恵まれない。ですが、生産性に見合う賃金を支払っている以上、企業は損をしませんから、高齢者を雇うこともできるわけです。これは高齢者だけではなく、ありとあらゆる人が「賃金=生産性」であれば雇用機会に恵...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
高市早苗総理と松下政経塾(1)松下政経塾の人材輩出率の高さ
なぜ松下政経塾はケネディスクールよりも人材輩出率が高いのか
執行草舟
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(8)シオニズムとユダヤ教
シオニズムは伝統的なユダヤ教とは異質…イスラエル建国の背景
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博