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産業イニシアティブでつくるプラチナ社会
メダカの学校・総合的な学習(探究)の時間・逆参勤交代
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(4)社会課題の解決に取り組む人財産業
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
未来のプラチナ社会の実現に向けて、教育の見直しも欠かせない課題である。旧来的な知識伝達型の教育方法ではなく、教える側のダイバーシティを考慮した「メダカの学校」的なあり方や探究型学習の活用が重要なポイントとなる。人の成長と社会課題の解決に向けた人財産業として、「100人の有識者より1人の実践者」を形にするプラチナ構想の取り組みについて解説する。(全5話中第4話)
時間:12分22秒
収録日:2025年4月21日
追加日:2025年10月30日
収録日:2025年4月21日
追加日:2025年10月30日
≪全文≫
●ダイバーシティのある「メダカの学校」的教育
それから教育です。
今まで先人の蓄積した知識を次世代に伝達するというのが教育ということだったわけですけれど、それはもうできません。なぜかというと、あまりにもこの変化が激しすぎて、私が生きてきた経験は、全てが役立たないわけではないのだけれど、全てが役立つわけではないわけです。だからだんだんと、みなが一緒に成長していく「メダカの学校」です。
私は講演でずっと「スズメの学校」が20世紀で、21世紀は「メダカの学校」だ(と言っています)。「スズメの学校」の先生は「むちを振り振りチーパッパ」です。これが20世紀です。21世紀は「誰が生徒か、先生か。みんなでお遊戯しているよ」ということで、これが「メダカの学校」です。そう言っていたのだけれど、途中で秘書から、「小宮山さん、今の子どもはスズメの学校の歌を知りません」と言われました。おそらくお若い方で知らない方はおられるのではないかと思いますが、それ以来、「スズメの学校」は言わないのだけれど「メダカの学校」は相変わらず言っています。
それで具体的に何をやっているかといえば、例えば、中学生を全国から70~80人、夏に4泊5日で集めて、半分は講義で、半分はグループ学習を行うのです。グループ学習で何を目的にするかというと、自分のところをプラチナ社会にするにはどうしたらいいかということを考えさせるわけですが、そこにチューターとして学生とシニアを入れるのです。これがいいのです。
学生だけだとうまくいかなかったのです。そういう意味では足りないわけです。いろいろ技術は持っているのだけれど、そこにシニアが入ることで非常にいい場が生まれるということが分かって、ダイバーシティというのはこういうところで重要なのではないかと今、思っています。ここは人財産業の1つのキーコンセプトにします。
プログラミングを小学校の子どもに教えているのですが、プログラミングというのは(小学校で)必修になったのです。英語も小学校で必修になったのですけれど、文科省の問題というのは、誰が教えるのだというところを真面目にやっていないことです。
プログラミングなどは、ちゃんと習ったこともないのに教えられるわけがないではないですか。けれど、日本で誰が教えられるかというと、大学でロボットクラブとかAIクラブとか、ITクラブと...
●ダイバーシティのある「メダカの学校」的教育
それから教育です。
今まで先人の蓄積した知識を次世代に伝達するというのが教育ということだったわけですけれど、それはもうできません。なぜかというと、あまりにもこの変化が激しすぎて、私が生きてきた経験は、全てが役立たないわけではないのだけれど、全てが役立つわけではないわけです。だからだんだんと、みなが一緒に成長していく「メダカの学校」です。
私は講演でずっと「スズメの学校」が20世紀で、21世紀は「メダカの学校」だ(と言っています)。「スズメの学校」の先生は「むちを振り振りチーパッパ」です。これが20世紀です。21世紀は「誰が生徒か、先生か。みんなでお遊戯しているよ」ということで、これが「メダカの学校」です。そう言っていたのだけれど、途中で秘書から、「小宮山さん、今の子どもはスズメの学校の歌を知りません」と言われました。おそらくお若い方で知らない方はおられるのではないかと思いますが、それ以来、「スズメの学校」は言わないのだけれど「メダカの学校」は相変わらず言っています。
それで具体的に何をやっているかといえば、例えば、中学生を全国から70~80人、夏に4泊5日で集めて、半分は講義で、半分はグループ学習を行うのです。グループ学習で何を目的にするかというと、自分のところをプラチナ社会にするにはどうしたらいいかということを考えさせるわけですが、そこにチューターとして学生とシニアを入れるのです。これがいいのです。
学生だけだとうまくいかなかったのです。そういう意味では足りないわけです。いろいろ技術は持っているのだけれど、そこにシニアが入ることで非常にいい場が生まれるということが分かって、ダイバーシティというのはこういうところで重要なのではないかと今、思っています。ここは人財産業の1つのキーコンセプトにします。
プログラミングを小学校の子どもに教えているのですが、プログラミングというのは(小学校で)必修になったのです。英語も小学校で必修になったのですけれど、文科省の問題というのは、誰が教えるのだというところを真面目にやっていないことです。
プログラミングなどは、ちゃんと習ったこともないのに教えられるわけがないではないですか。けれど、日本で誰が教えられるかというと、大学でロボットクラブとかAIクラブとか、ITクラブと...