産業イニシアティブでつくるプラチナ社会
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使えるデータで「健康のプラットフォーム」を実現しよう
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(3)健康産業イニシアティブ実装に向けて
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
「プラチナ社会」の実現には、人々の健康もその重要な指標になる。それを支える「健康産業イニシアティブ」とは、いったいどのような構想なのか。日本の弘前大学をはじめ、アジアの周辺諸国で集められるビッグデータを資源に、健康寿命の増進をめざす。(全5話中第3話)
時間:7分21秒
収録日:2025年4月21日
追加日:2025年10月29日
≪全文≫

●健康資源としてのビッグデータ


 それからこの後、「健康」「人財」「観光」という話なのですが、健康に関しては、ザッと言ってしまうと、ビッグデータが健康の一番の大事な資源になってくると思います。

 それで今、一番健康人の質のいいデータを膨大に貯めているのは日本の弘前大学です。

 それで、これは健康人から1人当たり3000項目ずつのデータを採っており、このデータを使うと、ある人が3年後に糖尿病を発症するかどうかというのは相関係数0.93です。相関係数1なら確実で、相関係数0だとデタラメ(予測できない)ということですから、0.93というのはもうほぼ確実ということです。だから、この人は放っておけば、(ほぼ)必ず糖尿病になるのです。

 (そこで)どう介入すればいいかというと、医者がたくさんやっているわけで、今日本は1人当たり糖尿病になると(年間約)500万円。1年にかかって、(透析する場合は)1週間に2日ぐらいこうやって寝ていないといけないわけで、しかも国は透析だけで(約)2兆円ですから、それを透析にならないようにすることが正しいわけです。

 ここ(弘前大学)は、そういった生活習慣病のデータを膨大に貯めています。今、24(社)が昔でいう寄付講座(共同研究講座)を弘前大学につくっています。味の素や大和ハウスなどピカピカの企業がここに集まってやっています。

 それで、これを今、ベトナムなどでも、同じ取り方で(データを貯めています)。というのは、データが膨大にあると、中国の人たちが私のところに「うちは3億人のデータを持っている」なんて言ってくるのだけれど、データというのは、例えばタバコを吸うかどうかという話では、今まで吸ったことがあるかとか、いつ止めたとか、今何本吸っているかとか、訊き方によってもう全然答えもバラバラだから、3億人あっても全然ゴミ(使えないデータ)なのです。使えるデータにならないのです。

 けれど、同じやり方で採ったデータは質のいいデータというわけです。同じデータの採り方で(進めている)弘前(大学のある青森県)が今、一番寿命の短い県で、一番(百歳以上の)寿命が長い(編注:百歳以上の長寿の方が多い)といわれている(京都府の)京丹後市です。ここでは京都府立医科大学が測っています。(ほかには)和歌山(の和歌山県立医科大学)などとも連携を図っていますし、その後、今ベトナムでやっ...

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