徳と仏教の人生論
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
横井小楠が説く「世界の幸せのお世話係」こそ日本の使命
徳と仏教の人生論(4)克己と天壌無窮
西郷隆盛が悟った「克己」、『日本書紀』に出てくる「天壌無窮」、これらの重要性をはじめ、東洋思想における欲望と肉体の関係については、まさに宇宙との対話につながる論理である。また、儒・仏・道・禅・神道の5つの東洋思想は同じ真理を示しており、宇宙との対話や全人格的思惟を通して、日本が果たすべき役割は「宇宙の代弁者」として世界の幸せに貢献することである。すなわち横井小楠の言葉「世界の民の幸せのお世話係」になることこそ日本の使命であると田口氏は説く。(全6話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
時間:12分12秒
収録日:2025年5月21日
追加日:2025年11月1日
≪全文≫

●天命を果たせるように肉体を持たせた


── 西郷隆盛はあの4年間、ほとんど島の中で『言志四録』の選り抜きを自分でつくりながら過ごしましたが、その中で、もともと欲のない無私の人でしたけれど、あのとき何か悟ったわけですね。

田口 これは、西郷南洲が言っていることだけれど、「克己」と言っているわけです。己に克つということ。『南洲遺訓』などは、最初から最後まで言っていることは何かというと、克己です。「自分を愛することはよからぬことなり」と言っているわけです。

 では、なぜ克己ということがすごく重要なのか。これは、天も宇宙も非常に考えたところだなと私は思えるのは、自分の分身として地球上に小宇宙を派遣するというようになれば、その地球上での生活が営める、もっといえば天命を果たせるようにつくってやらなければいけないとなれば、やはり肉体を持たせなければいけないということになるわけです。

 そして、肉体というものを保持するためには、どうしても欲望が必要です。俗にいう五欲、食欲とか睡眠欲などですが、それらは全部、肉体を保持するために必要なことなのです。そういう意味で、欲望というものは非常に危険なものである、良くないものであるというのはその通りなのですが、その前提には、肉体の保持のためにそれはなければいけないもので、必然なのです。

 この肉体の保持を乗り越えていくためにはどうしたらいいかというときに、先ほどの全人格的思惟とか、それから私が申し上げた、10年かかるある種の修行のようなものが必要なのです。そうすると、肉体も保持されながら乗り越えられる。乗り越えるというのは捨てることではなく、それを一時停止できるわけです。

── すごいですね、一時停止ですね。

田口 肉体を一時停止できるのです。

── しかし、五欲がないと肉体は保持できないのですね。

田口 保持できないのです。そもそも、食欲がなければ途端にだめですから。財産欲も性欲も、全部なければ保持できないのです。

── 保持できないですね。

田口 ですから、とても大切なものだから否定しない。道家も儒家も否定していません。そして、否定していないからこそ厄介なのです。しかし、仏教はそこを若干持ち扱ってしまったところがあるのです。ですから、禁欲ということになってしまった。それで、禁欲といいながらも、という但し書きのものがいく...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(3)戦争終結シナリオと大統領選挙の行方
MAGA連合に亀裂!?イラン戦争が及ぼす大統領選への影響
東秀敏
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤