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“捨てる”に活路、ニッコーのサーキュラーエコノミー

武器としての「カーボンニュートラル経営」(2)ニッコーのサーキュラーエコノミー

夫馬賢治
株式会社ニューラル代表取締役CEO/経営・金融コンサルタント/信州大学特任教授
概要・テキスト
世界的に脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進む中、大きく出遅れている日本だが、画期的なアプローチをしている企業がある。その一つとして、まず石川県の会社「ニッコー」によるサーキュラーエコノミーの取り組みを紹介する。注目すべきは、「捨てる」お皿に活路を見いだした事業だ。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
≪全文≫

●サーキュラーエコノミーに活路を見いだした「ニッコー」


―― では、具体的にカーボンニュートラル経営がどういうものかということを聞いていきたいと思うのですが、最初に事例としてお聞きしたいのが、石川県のニッコーという会社です。

 ちょうど『武器としてのカーボンニュートラル経営』(ビジネス社)という本が、企業のいろいろな事例紹介の本になっているということですね。

夫馬 そうですね。最初に『超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)を書いた時には、どちらかというと大企業向けに書いているのですが、私も最近、全国の商工会議所であったり、青年会議所であったり、市役所から呼ばれたりして講演しますので、そちらの本のメインは中小企業向けになっていきます。

 中堅・中小企業から、「どこから始めていいのかがなかなか分からない」とか、「本当にやっていけるかどうか分からない」という声をたくさん聞きましたので、先んじて動いている企業を中心に具体的に紹介する本を中堅・中小企業向けに書こうと思ったのが、この『武器としてのカーボンニュートラル経営』です。その中でニッコーさんも取り上げさせていただいているという状況ですね。

―― この本は、まさに先生が聞き手となって、経営者の方に鋭く突っ込んでいきます。詳しくは、ぜひこの本を読んでいただければと思うのですが、今回のシリーズではその中から3社ばかり挙げさせていただいて、ポイントをお聞きできればと思います。

 さて、今おっしゃったニッコーさんですが、石川県の会社で、陶磁器やいわゆる住設ですね。お風呂に関連するものなどをお作りになっている会社ということですが、ここでカーボンニュートラル経営というのはどういう経緯だったのですか。

夫馬 中堅・中小企業といいながら、実はニッコーさんは上場企業です。今いろんな事業をされており、その中の一種の社業として古くからやっているものが陶磁器です。実際に、メインでつくってらっしゃるのがレストランとか家で使っているお皿で、あの白いお皿をメインで作っているわけです。この本の中でも直接お話をいただいていますが、日本の伝統工芸といわれてきたこの陶器の事業ですら、市場自体が今はもう9分の1にまで縮小してきているぐらい衰退してきているのです。...
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