競争戦略

競争戦略とは、個々の市場分野において競争相手に対して優位性を獲得するためのマーケティングの基本となる事業方針、戦略のこと。「競争対抗」と「競争回避」の2つに大別され、競争対抗としては相手より低コスト方針をとる「コスト・リーダーシップ」、独自性を打ちだす「差別化戦略」、特定の顧客層や地域にフォーカスする「集中戦略」などがある。競争回避としては、競争相手の得意分野から意図的にずらしたところで価格設定、広告展開を行うなどの手法がとられる。「10MTVオピニオン」では、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授・楠木建氏が「ストーリー」をキーワードに競争戦略についてのシリーズ講義を提供。楠木氏は、科学のような法則のない商売の世界において、ストーリーを重視するのは実は江戸時代からの鉄則であるとし、井原西鶴の『日本永代蔵』からファーストリテイリング、アマゾン、スターバックスまで豊富な事例を紹介しつつ、独自の競争戦略論を展開している。 楠木氏によれば、ストーリーとして競争戦略をとらえるということは、個々の方針、アイディアを因果論理でつなげるということ。そして、それらは商売の本筋を軽視しないという前提のもとに成り立っているという観点から、ベーシックかつ先鋭的に論じられている。