ストーリーとしての競争戦略
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
本社と事業部の関係はどうあるべきか?
ストーリーとしての競争戦略(9)質疑応答編
楠木建(一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 特任教授)
スタッフに儲けを理解させるにはどうすべきか。新卒の大手志向を変えるには何が必要か。本社と事業部の関係はどうあるべきか。一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏が、「ストーリーとしての競争戦略」講義後、会場からの質問に答える。(2017年5月25日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件」より、全9話中第9話)
時間:6分45秒
収録日:2017年5月25日
追加日:2017年7月28日
≪全文≫

●儲けを理解させるには、つながりの絵を見せるべきだ


質問1 医療法人を経営していますが、医者やスタッフに「儲けがなければ何も進まない」と説得するのに苦労しています。何か良いアイデアはないでしょうか?

楠木 医療法人は形式的には非営利組織なので、ストレートな商売と比べると大変難しいですね。ただ、子どもでも分かる理屈として、全てのことがつながっているということを申し上げてはどうでしょうか。もうかるということは、医療であっても競争がある中で、独自の価値を提供している、という証です。もうかっているから、給料が払えます。こうしたつながりの絵を見せるのが、一番正攻法ではないでしょうか。

 ポイントは長期利益です。短期利益であれば、誰かの得は誰かの損を意味します。しかし、資本主義は割りとうまくできていて、一定の時間を置いて考えると、結局両者はwin-winになっていくのです。誰かをもうけさせたとしても、その後で自分たちにも儲けが出ます。


●日本が好きな外国人ビジネスマンを作る


質問2 大学では、経営戦略について、どのように講義しているのですか?

楠木 僕は今、学部生を教えていません。一橋大学に2000年からできた新しいビジネススクールの部門があって、そこで教えています。そのコンセプトは、日本が好きな外国人を増やすということです。英語を使った、インバウンドのMBAのプログラムです。日本に関心がある人は、結構います。高度成長期の日本では、多くの人がアメリカに関心を持っていましたが、中には成熟したヨーロッパの方が良いと思っている人もいました。それと同様に、中国やアジアの国々でも、確かにアメリカ、特にシリコンバレーに関心を持つ人は多いですが、中には、アジアで成熟した良さを持っている日本が好きで、日本と商売がしたい、日本で商売がしたいと思っている人も一定数います。

 英語で教えていますので、そうした人たちが気軽に入ることができるのです。平均年齢は、30歳前後です。MBA修了後には、日本の会社に入ってもらい、インバウンドで日本のグローバル化に貢献していただきたいと考えています。日本が好きな外国人ビジネスマンを作る、ということです。


●新卒の大手志向を変えるには、親が変わる必要がある


質問3 今でも相変わらず、日本の若者は大手企業志向が強いですが、一橋大学でも状況は同じでしょうか?

...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦