「激動と激変の時代」の日本復活戦略
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
令和の所得倍増は実現するか?日本の復活戦略を考える
「激動と激変の時代」の日本復活戦略(2)岸田政権の政策と戦略の重要性
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
池田勇人によってつくられた宏池会を引き継ぐ岸田文雄総理は、「令和の所得倍増」や「デジタル田園都市構想」など、まさに先人を意識した政策を次々と打ち出している。しかし、それらを実現していく上では、世界のさまざまな事例から方法を学び、戦略に落とし込んでいく必要がある。(全3話中第2話)
(2022年1月18日開催島田塾年頭講演「激動と激変の時代:日本の選択」より)
時間:13分38秒
収録日:2022年1月18日
追加日:2022年4月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●池田勇人と大平正芳の政策における戦略の重要性


 岸田氏は宏池会です。宏池会は池田勇人がつくった団体で、池は池田氏からきています。岸田氏は宏池会の伝統を背負っていて、今は宏池会の代表です。宏池会の池田氏がやった政策の一つに所得倍増計画がありますが、岸田氏は「令和の所得倍増」と言います。言葉は綺麗ですし、是非やってもらいたいのですが、問題はそれをどうやってやるかです。

 また、大平正芳氏は素晴らしい人で、「田園都市構想」と言いました。岸田氏はその言葉を借りて、デジタル田園都市構想といっています。言葉を借りればいいというものではないと思いますし、宏池会の伝統だと言いたいのであれば、私は反論したいですし、オープンディスカッションしたいのです。

 池田氏はどういうときに所得倍増を考えたのでしょうか。彼が政権を手にしたのは1960年です。その前の日本は岸信介氏が大変な苦労しました。焼野原が残っているところから、まともな国になりたいと思ったときに、石炭産業が九州にありました。コークスをつくれる。世界中から鉄鉱を買ってこられます。鉄鉱を持っているのはカナダや、オーストラリアですが、陸地から持ってくるから高いです。日本は海岸に出てきた鉄鉱を買って、日本の海岸に最新の鉄鋼をつくりました。製鉄所でつくるから安くて性能がよいです。それで鉄鋼ができれば、造船ができ、造船ができれば、機械ができ、そして機械ができれば、自動車ができます。

 それを、もともと役所にいた下村治という大変独特なエコノミストがロイ・ハロッドの投資乗数と輸出乗数を基に理論化しました。これは簡単な話で、生産がどのぐらい増えると、投資がどのぐらい増えるかという乗数があるのですが、産業構造から計算すると日本は相当高かったのです。1960年代は世界は大貿易時代でした。アメリカが強かったので、その投資力を輸出に向けたら、ものすごく伸びるというので計算したら、もう5年間で所得倍増できると出たのですね。それで、池田氏はすっかり感心して、それでいこうと言って、「所得倍増計画」をやりました。

 もう一つやったことがあります。日本はお金がありませんでしたが、戦略産業にお金を集中させます。どうするかというと、当時の日本は農業人口が7割で、ほとんどの人が農協に入っていました。

 その農協に預けて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾