「激動と激変の時代」の日本復活戦略
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岸田政権は落第点?求められる強力な司令塔と経済の復活
「激動と激変の時代」の日本復活戦略(1)菅政権から岸田政権へ
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
激動と激変の世界の中で日本はどのような方向へと進むべきなのか。2021年に菅政権から新たに誕生した岸田政権は、コロナ禍や産業の立て直しに立ち向かうべく強力なリーダーシップを発揮する司令塔が求められている。(全3話中第1話)
(2022年1月18日開催島田塾年頭講演「激動と激変の時代:日本の選択」より)
時間:11分47秒
収録日:2022年1月18日
追加日:2022年4月12日
カテゴリー:
≪全文≫

●菅政権は日米首脳会談で成果を出したがコロナ禍に襲われた


 今から少し日本の話をしたいと思います。こういう(激動と激変の)世界の中で、日本はどういう方向を取るべきかについてです。

 まず、2021年は菅政権です。菅政権は、安倍政権を継承するということで、電光石火の早業で、首相の座を確保しました。菅氏は、DX(デジタルトランスフォーメーション)ということでデジタル庁をつくるなど、結構大きな政治もやっています。これは1年間で500人もの所員を集めて、その内120人は民間人です。これをつくるのは大仕事なので、よくやったと思います。

 それから2050年にカーボン・ニュートラルを公約しました。これは2020年10月26日です。公約して、2カ月ぐらいのうちに、5つぐらい法律を通しました。産業界を網羅して、日本の産業界は真面目なので一所懸命やり出しました。これも菅氏の功績だと思います。そして、生活者目線の政策を行いました。電話料金引き下げや、不妊治療の保険適用、地銀改革や医療負担など、分かりやすいのです。

 菅氏の在任時代の一番大きな問題は、日米首脳会談だと思います。これは2021年4月にやりました。この日米首脳会談について、アメリカの政権が日米首脳会談をやるのに、こんなに前準備したことは歴史上初めてです。

 そこでは次のことが決まりました。とにかく日本の政権をしっかり取り込むために、日・米・オーストラリア・インドの4か国を巻き込んでQuadを発足し、中国包囲網の中にじわっと入れようとしました。インドはさすがに、中国の名前を出すなら付き合わないと言われたので、気をつかったのですが、これによって初めての首脳会談をやりました。これは菅氏を巻き込むためです。

 バイデン政権ができてから、政府の高官が海を渡って海外に行ったのは、日本が最初です。これは2+2会議で、日本に国務長官と国防長官が来ました。これは初めての出来事で、菅氏がバイデン氏に電話をしました。そのときにバイデン氏は、尖閣列島は日米安保条約5条の適用内だと言ってくれたのです。これも結構大きなことです。オバマ氏は何となくそれを言っていたのですが、バイデン氏は明確に言いました。これは全部菅氏を巻き込むためです。菅氏は、それに気がついていたとは思います。


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