●3次元半導体に欠かせない日本の技術
それでは最後に、日本の新たな可能性ということを一緒に考えたいと思います。これまでに「3次元半導体」ということをいっていますが、これは2次元の平面であれば電流の流れも2次元ですけれども、これを3次元にすると総合的な効果が何倍にも上がるわけです。立体になりますから、作業効率が上がる、電力は節約できる、コストは削減します。
それから、ムーアの法則の天井を超えています。今ムーアさんが生きていると、10億8000万倍かそのくらいになっていると思いますが、それを超えたところに行くために3次元にするわけです。ただ、この新しい技術は日進月歩なので、ハードルはものすごく高く、簡単に参入できません。
そして日本が強いので、今、世界中が日本の企業とやりたいと言ってきています。TSMCがつくばに研究所を作りたいというのは、まさにこれです。一番小さい素子ですが、コンピュータのニューロンみたいなものですけれども、その素子の構造が違ってくると、それを踏まえて技術革新する必要があり、研磨するにしても、洗浄するにしても、そういうことになるわけです。
最後にちょっと面白い図表を見ていただきますが、こういうものがあります。東京エレクトロンはどのようなものを持っているかというと、コーダデベロッパ、つまり感光剤を塗布することで9割弱、成膜やエッチングが3割超ですから、世界の9割と3割を持っているわけです。さらに素子の構造、ダイオードをやるわけですが、その変化に対応したことをやらないとできないので、ものすごい技術革新を続けているわけです。
それからニコンも強い。露光装置ですが、これはオランダの会社がやっているものに行くのですけれども、あれが最後の装置のところで、液体をちょっと染み込ませてやるというところがあります。その液体を染み込ませるというところで、ニコンが部分的にトップを行っているのです。
それからディスコです。前に羽田の会社と言いましたが、切り離して1000個作るのと、薄くするのとがあり、これは切り離すので世界の7割、薄くするのが世界の5割ということです。キヤノンも頑張っています。KrFというのは(半導体製造工程で使われる)化学薬品で、(キヤノンは)KrFと合わせてやっていますが、配線の露光で強みがあります。
アドバンテス...