半導体から見る明日の世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本の技術はスゴイ!世界が注目する日本企業の可能性
半導体から見る明日の世界(11)3次元半導体の世界と日本の可能性
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
限界を超えたともいわれている半導体の超微細化は、ついに2次元から3次元の技術に突入した。しかし、半導体の技術が高度化すればするほど、それを加工して製品化するためにはさまざまな特殊技術が必要となる。さらに、それらの技術とノウハウは日本企業が世界シェアで圧倒していることは前回でも見てきたが、今回の講義はその続きと新たな可能性についても理解していく。(全12話中第11話)
時間:8分30秒
収録日:2023年7月14日
追加日:2023年11月6日
≪全文≫

●3次元半導体に欠かせない日本の技術


 それでは最後に、日本の新たな可能性ということを一緒に考えたいと思います。これまでに「3次元半導体」ということをいっていますが、これは2次元の平面であれば電流の流れも2次元ですけれども、これを3次元にすると総合的な効果が何倍にも上がるわけです。立体になりますから、作業効率が上がる、電力は節約できる、コストは削減します。

 それから、ムーアの法則の天井を超えています。今ムーアさんが生きていると、10億8000万倍かそのくらいになっていると思いますが、それを超えたところに行くために3次元にするわけです。ただ、この新しい技術は日進月歩なので、ハードルはものすごく高く、簡単に参入できません。

 そして日本が強いので、今、世界中が日本の企業とやりたいと言ってきています。TSMCがつくばに研究所を作りたいというのは、まさにこれです。一番小さい素子ですが、コンピュータのニューロンみたいなものですけれども、その素子の構造が違ってくると、それを踏まえて技術革新する必要があり、研磨するにしても、洗浄するにしても、そういうことになるわけです。

 最後にちょっと面白い図表を見ていただきますが、こういうものがあります。東京エレクトロンはどのようなものを持っているかというと、コーダデベロッパ、つまり感光剤を塗布することで9割弱、成膜やエッチングが3割超ですから、世界の9割と3割を持っているわけです。さらに素子の構造、ダイオードをやるわけですが、その変化に対応したことをやらないとできないので、ものすごい技術革新を続けているわけです。

 それからニコンも強い。露光装置ですが、これはオランダの会社がやっているものに行くのですけれども、あれが最後の装置のところで、液体をちょっと染み込ませてやるというところがあります。その液体を染み込ませるというところで、ニコンが部分的にトップを行っているのです。

 それからディスコです。前に羽田の会社と言いましたが、切り離して1000個作るのと、薄くするのとがあり、これは切り離すので世界の7割、薄くするのが世界の5割ということです。キヤノンも頑張っています。KrFというのは(半導体製造工程で使われる)化学薬品で、(キヤノンは)KrFと合わせてやっていますが、配線の露光で強みがあります。

 アドバンテス...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
日本の財政と金融問題の現状(1)財政赤字の何が問題か
日本の財政は本当に悪いのか?将来世代と金利の問題に迫る
木下康司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜