半導体から見る明日の世界
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半導体から解決をめざす!課題先進国・日本の進むべき道
半導体から見る明日の世界(12)課題先進国・日本の生き方
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
世界は今、大量生産が可能となった時代から個々の消費者ニーズに合わせた少量・高品質なものを提供する時代へと変化している。その中で半導体が担う役割はますます大きくなっているのだが、高度文明社会が進展する陰で新たな課題が拡大しているのも事実だ。高齢化、人口減少、労働不足、社会保障、食料、気候変動など、人類と地球が直面している課題は多い。最終回を迎えた今回の講義では、課題先進国・日本が半導体立国をめざす上でそれらの課題にどのように対応すべきなのかを考察していく。(全12話中第12話)
時間:11分29秒
収録日:2023年7月14日
追加日:2023年11月13日
≪全文≫

●半導体が解決する課題先進国・日本の問題


 私は、これからの日本ということで言いたいのは、「課題先進国を支えるユーザー主導の半導体」という時代が来ているのではないかと思います。今までは大量生産で汎用の半導体の時代でした。なぜかというと、工業化というのは地球には資源が無限にあって、人口はどんどん増えていってイケイケドンドンで、最先端を制した者が世界を制するというので、大量生産を企画してやっていたわけです。

 ですからその当時は、大型コンピュータ、情報家電、大容量のDRAMという時代で、そのようなときに日本は大量生産で勝ったわけですが、これからはそうではなく、少量でも品質が良くて、ユーザーのニーズにきちっと合うものを作れる時代が来ており、技術がそこまで行っています。

 そうなると、今申し上げたように、ユーザーのニーズに合うのではなく、ユーザーが自分で発想して自分で設計して、それを専門家が助けるという、そういう手作りの時代が来ます。手作りでも品質が高く、資源も浪費しないという、そのような時代が来るのではないかと思います。

 これはまさに、課題先進国が直面する問題に答えていく、新しい時代が来ているのだと思うわけです。課題先進国というのは、小宮山宏東大(元)総長が言い出した言葉です。私流にいえば、今日本が直面している人口減少、高齢化、社会保障の持続、労働不足、交通システム、気候変動、食料安全保障など、これらは全て大課題です。このようなことに、実はこれまで申し上げてきた、ユーザー目線から技術革新をして、そこでそれにぴったり合った超高性能の半導体を作るということになってくるのだと思います。

 例えば、人口減少の問題でいえば、人口減少をどうするかについて、(総理大臣の)岸田(文雄)さんは子どもを産みやすくするために補助金をつけると言っていますが、そういう時代ではないのではないかと思います。人口が減っても、1人ひとりがもっと豊かになることは十分可能なのです。これは、衣食住の生活水準の内容を豊かにすればいいだけの話です。

 それについて、個々のユーザーにこれが欲しいというドンピシャな製品を作るというのは、ユーザーの目線から設計されるものを作るということですから、半導体もそのほうがいいのです。そういう時代では、ソシオネクストみたいなところで作れますから、それをやればいい...

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