半導体から見る明日の世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
台湾TSMCが日本進出を決めた真相と日本の事情
半導体から見る明日の世界(9)日米協力の強化とTSMCの日本誘致
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日米半導体戦争から40年を経て、アメリカは日本に半導体戦略の協力を求めてきた。台湾や韓国の半導体産業に大きく水を開けられた日本にとって、アメリカの要請は大きな呼び水となり、政官挙げて半導体立国を目指す動きが加速している。そうした中、世界のトップを走るTSMCの日本誘致はあっという間に決定した。今回の講義では、日米協力の強化とTSMCの日本誘致の背景にあるそれぞれの事情を学んでいく。(全12話中第9話)
時間:10分14秒
収録日:2023年7月14日
追加日:2023年10月23日
≪全文≫

●アメリカの要請が火をつけた半導体立国戦略


 最近、半導体の復活熱のような話が高まっているのです。皆さんもいろいろなところで聞いておられると思いますが、これにはいくつかの理由があると思います。それは、情報が加速度的に進んでデータが非常に重要になり、データ処理には半導体がなければできないということです。それから、政府が経済の競争力を高める上で、その基本的な戦略物資はやはり半導体ではないかということです。さらに経済安全保障においても、強烈な戦略物資としても半導体があると、皆さんが認識するようになったことです。

 米中対立が激化する中で、アメリカはその半導体のサプライチェーンを強靱化するために、日本に手伝ってくれと言い出したのです。これは40年前には考えられないことで、40年前は「日本を潰せ」でしたから。それで日本の政界・財界はちょっとその気になってきたことから、今、半導体立国にしようよと(いう機運が高まっています)。

 そして、2021年の5月21日に半導体戦略(推進)議員連盟というものが結成されています。この会長は甘利明さんで、最高顧問が安倍晋三元総理でした。それから麻生太郎さんをはじめ、ずらずらと揃っており、「半導体を制する者は世界を制する」という、この人たちが大好きな言葉にも表れています。同じ5月に政府は半導体デジタル産業戦略というものをまとめました。

 それで翌2022年の11月に、2次補正で半導体支援策をどんと総額1.3兆円、日米が連携する次世代研究拠点の整備に3500億円、先端半導体の生産拠点の4500億円で、これはのちにTSMCの補助金になりますが、それから生産に欠かせない素材・部材3700億円というものです。これが翌2023年の4月、デジタル産業戦略の改訂版が出ました。

 この改訂版では、国内で生産した半導体の売上高を、2030年に15兆円にする。それから国内の半導体拠点整備に2年間で2兆円使う。これはTSMCにも使っているわけですが、また4月には北海道に半導体企業を作ると名乗りを上げたラピダスという会社に2600億円を出すとして、これも政府の戦略にしたのです。


●驚くべき早さで進む海外半導体企業の誘致


 そして、日米協力が非常に強化されました。スタートは2年前の2021年(4月)、バイデンさんと菅義偉前首相の首脳会談です。あの時の共同声明にいろいろなことが書いてあります。台湾問題も初めて歴史...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(7)シベリア出兵と張作霖爆殺事件
軍閥割拠の中国は魑魅魍魎の世界…列強やコミンテルンの思惑も絡む中で翻弄される日本と張作霖爆殺事件の謎
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
「禅とは何か」藤田一照師が禅と仏教の心を説く…自発性を重んじる
藤田一照
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸