半導体から見る明日の世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
CHIPS法成立!半導体支配を目論むアメリカの2つの理由
半導体から見る明日の世界(4)米国「CHIPS法」成立と中国の脅威
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
5G通信で先行した中国に対して、アメリカは情報ネットワークの脅威に直面した。中国への危機意識は、トランプ政権からバイデン政権に代わってもますます強まっている。そこでバイデン大統領は「CHIPS法」といわれている半導体製造促進法を成立させたのだが、そこには2つの理由があった。それは何か。バイデン大統領が唱える「グリーンニューディール」政策の背景と合わせて解説する。(全12話中第4話)
時間:7分24秒
収録日:2023年7月14日
追加日:2023年9月18日
≪全文≫

●「CHIPS法」成立の背景と2つの側面


 それでは皆さん、バイデン政権の半導体(産業)を支配しようという戦略があるのですが、ここをまずお話ししてみたいと思います。バイデン政権は半導体を支配する戦略として法律を作りました。これを「チップス・アンド・サイエンス・アクト(Chips and Science Act)」といいますが、「半導体製造促進法」というような訳ができます。チップというのは半導体のチップのことです。

 バイデン大統領は2022年8月9日に、「CHIPS(チップス)法」といわれている、その法律を作って成立させました。その法律を作った背景には、アメリカがそれまで30年間続いたグローバリゼーション、つまりアメリカは世界1強で、世界中がアメリカと一緒にやってくれるのだという前提があり、それで(その法律を)作っていますから、アメリカは頭脳のファブレスの会社だけを持っていて、世界中に作らせれば半導体はできてしまうわけです。

 それは最初のほうの講義で示した図にあるように、アメリカの比重がものすごく高いのは、そういう何重計算が入っていますから、あのようになるので、それはすぐには分からないのですが、そのようなことをやっていたのです。

 ところが、(アメリカは)足元で半導体の製造をやっていないことに気がつきます。これは非常に危ないと。有事になったらサプライチェーンが止まりますから、アメリカが逆に干上がってしまうということに気がついたのです。

 この法律には2つの側面があるのですが、1つは徹底的にアメリカの国内に半導体の生産拠点を持つこと、もう1つは中国を締め上げることです。それで、中国を締め上げるためにどうしたかというと、2022年10月7日に、商務省が中国に対する半導体の強烈な規制を課しました。

 これは中国だけではなく、日本にもオランダにも、それこそ世界中に課したのです。アメリカという国は強引です。アメリカに強く言われると、他の国はついていかざるを得ないという状況になっていて、それを使って中国の首を絞めてしまおうという、2つの側面があるのです。


●中国の脅威は貿易ではなく情報だった


 ただ、ここで皆さんと考えてみたいのは、なぜバイデン政権がそこまで厳しいことをするのか、ということです。トランプさんはとんでもない人で相当乱暴な人でしたが、しかし、ここまでは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
鶴見太郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
明治維新から学ぶもの~改革への道(3)明治天皇と五箇条の御誓文
国是として現在も生きる明治天皇「五箇条の御誓文」の影響
島田晴雄
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
吉田松陰の思想(上)松陰像の変遷(1)革命家から改革者へ
徳富蘇峰は吉田松陰を「革命家→改革者」と再定義
中島隆博