プロジェクトマネジメントの基本
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定量分析と定性分析――リスク分析をするときの2つの方法
プロジェクトマネジメントの基本(5)リスクマネジメントのプロセスと効果
大塚有希子(法政大学専門職大学院イノベーションマネジメント研究科准教授)
「企業活動に伴うさまざまな危険を勘案し、損失を最小限に抑える管理運営方法」と広辞苑で記されるリスクマネジメント。だが、実はリスクにはポジティブ・リスクとネガティブ・リスクの2種類がある。その違いはどこにあるのか。今回は2種類のリスクの違いとともに、プロジェクト遂行中のリスク管理のプロセスとその留意点、そしてリスクマネジメントが組織に与える効果について解説する。(全10話中第5話)
時間:12分42秒
収録日:2025年9月10日
追加日:2026年2月2日
≪全文≫

●プロジェクト・ライフサイクルとリスクマネジメント


 では、今回はリスクマネジメントについてお話をしましょう。

 プロジェクトは平常業務より独自性があり、不確実事項が多い。だから必ずリスクマネジメントをしなければいけないというお話は、(基本編で)先ほど行いました。リスクマネジメントは何をするかというと、発生すればプロジェクト目標にプラスまたはマイナスの影響を及ぼす不確実な事項・状態に対処することです。

 ポジティブ・リスク──プラスのリスクともいいますが、良いことが起こるかもしれないこと──に対しては、発生確率や影響を増やす。ネガティブ・リスク──マイナスのリスクともいいますが、悪いことが起こるかもしれない可能性──は発生確率を減らして影響度を減らす。こういうことを考えていくのが、リスクマネジメントといえます。

 プロジェクトの中では、リスクの度合は最初のほうで高く、だんだん低くなっていきます。プロジェクトの初期は不確実性が高く、モノが出来上がっていくにつれてだんだん不確実性が少なくなっていく。逆に、リスクが起こったときの影響は後ろのほうが大きいのです。成果物が出来上がれば出来上がるほど、それがパアになった場合の影響は大きいのです。変更コストは後ろにいくほど大きくなります。

 ということで、リスクの度合や影響などは、プロジェクトのライフサイクルの中で変わっていくということをまず前提にしてください。つまり、プロジェクトのあいだ中、リスクマネジメントはしていかなければいけないということです。


●マネジメントプロセスにおける定量分析と定性分析


 一般的に、リスクマネジメントのプロセスは、「特定」「分析」「対応策」「対応」「振り返り」というように行われます。リスクマネジメント計画の部分では、特定したり分析したり、対応策を考えたり対応したりするときに、誰が担当するか、どの方法を使うかなど全体的な計画が行われています。

 一般的にリスクに関する書類として、「リスク登録簿」と「リスク報告書」というものがよく使われます。両方とも似たような書類ではありますが、リスク登録簿はどちらかというとチーム内の作業に関するリスクの書類、リスク報告...

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