大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実
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百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために
歴史と社会
門田隆将(作家/ジャーナリスト)
硫黄島の戦いでの奇跡的な物語を深く探究したノンフィクション『大統領に告ぐ』。著者の門田隆将氏は、「読者の皆さんには、その場に身を置いて読んでほしい」と語る。硫黄島の洞窟の中で、自分が死ぬ意味を考えていた日本人将兵。いよいよ玉砕のときに、司令官の市丸が想いを込めて記した「ルーズベルトに与ふる書」は、百年後の日本人のためのものであり、また、共に死んでゆく仲間たちのためのものでもあった。さらに、この書の厳しい内容を戦時中であるにもかかわらず、ニュースとして大きく報じ、また、手紙の現物をアナポリスの海軍士官学校に大切に保管しつづけたアメリカの底力も忘れてはならない。いまこそ、われわれが考えるべきこととは何だろうか。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:15分28秒
収録日:2025年7月9日
追加日:2025年8月15日
≪全文≫
―― 皆さんご存じのように、硫黄島が落ちてしまう前にサイパンが落ちていて、サイパンがB29の基地になっていました。それで、当初は護衛戦闘機なしに日本に飛んできて、けっこう(アメリカ側の)被害も大きかった。それで、ちょうど硫黄島がサイパンと日本の……。

門田 中間。

―― 真ん中なので、そこに戦闘機の基地が造られてしまうと、今度は護衛戦闘機もついてきてしまうことになって、それは日本としては非常に厳しい空襲がまた……。

門田 はい。硫黄島が日本のままか、敵に渡るかで、これ、まったく違っていたわけです。B29はもうサイパンから飛んでくるわけですから、そうすると硫黄島さえアメリカは手中にしておけば、それは直掩機(ちょくえんき)が上がれるわけですから。直掩機というのは(爆撃機を)援護する戦闘機ですけれども、それが上がれるわけです。だから、ものすごい戦いになるのは当然なのです。

―― それをどう、1日でも占領をどう食い止めるかという、その本当にもう死しかないような戦いの中で、その究極の場で人生を振り返り、また日本とはどういうものなのかということも振り返って、(市丸利之助は)この「ルーズベルトに与ふる書」を書いた。

門田 やっぱりこの手紙の中で、「大東亜共栄圏はあなたたちを邪魔するものではまったくなくて、世界平和の一番大事なものの1つである。その理解がなぜあなたたちにはないのか」と。

門田 「なぜ、若葉のうちに色々なものを摘み取ってしまうのか。東洋のものは東洋に返すというだけのことなのに、それすら許さないアングロ・サクソンのやり方を続けたら世界平和はいつまでも来ないんだぞ」ということを書いています。

門田 そして「戦後、スターリンとどう協調していくのか。もしあなたたちが戦いに勝ったとしても、その後、どうやってスターリンの共産主義と同調してやっていくのか」と書き、あなたたちの味方というか、力になれるのは日本なんだぞという意味のことを教えていますよね。

―― はい。

門田 その通りになっているわけです。

―― もうその後すぐに冷戦が始まるわけですからね。

門田 うん。分析もすごいし、洞察もすごい。この原文のまま全部で3ページ、(書籍『大統領に告ぐ...

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