大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
マッカーサーとも共鳴…「ルーズベルトに与ふる書」の主張
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(3)市丸少将の歴史観への評価
門田隆将(作家/ジャーナリスト)
『大統領に告ぐ』の取材で、市丸利之助の長女の志村俊子氏が、市丸利之助の家庭での父の姿を語っている。子供たちの歌を聴くのが好きだった優しい父・市丸利之助は、その一方で「ルーズベルトに与ふる書」で毅然と大統領を説得し、糾弾もしている。だが、その文章に熱く込めた「当時の日本人の想い」は、けっして奇矯(ききょう)なものではなかった。ルーズベルト大統領の前任のフーバー大統領や、当時一流の日本専門家であったヘレン・ミアーズらの見方は、市丸と深く共通するものであった。さらに、日本占領期の連合国軍最高司令官であったマッカーサーがアメリカ上院軍事・外交合同委員会で語った証言も、市丸の主張ときわめて重なるものだったのである。市丸が「ルーズベルトに与ふる書」に込めた主張の歴史的な評価と現代的な意義とは?(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分26秒
収録日:2025年7月9日
追加日:2025年8月12日
≪全文≫
―― 今(第2話で)、三上(弘文)さんのお話をご紹介いただきましたけれども、私も読んでおりまして、本当にいくつも印象深いご家族の方のお話がありました。たとえば司令官でいらっしゃった市丸(利之助)さんのエピソードですと、娘さんがまだご存命でいらっしゃるということで。

門田 そうです。(長女の志村)俊子さんが、93歳。

―― 93歳でございますね。

門田 はい、93歳でね。

―― ご存命でいらっしゃって、当時の思い出をお話になっているのですが。まあ、本当に優しいお父さんで。お父さんが帰ってくるときは、嬉しくて、嬉しくてしかたがなかったと。

門田 もう子どもたちは嬉しくてしかたないわけですよ。

―― それで、お父さんは歌好きだったので、襖(ふすま)を舞台に見立てて、開け閉めして、娘さん3人で歌を歌ったりとか。

門田 歌ったりとねえ。

―― それを、ニコニコしながら市丸さんが聴いていらっしゃる。

門田 「ルーズベルトに与ふる書」の毅然とした文章で、大統領を説得し、糾弾もし、そして呼びかけもしてという、そういう人と、家族に見せていた実際のお父さんとしての姿がすごく乖離(かいり)があって。軍人と、優しいパパ、お父さんと。これがまったく違っていたので、私ももう本当に心温まりながら(エピソードを)聞かせてもらいました。

―― そのシーンを思い浮かべると、何かジーンとしてくるといいますか……。

門田 ええ、ええ。

―― もちろん、それは平和な時期の話ではあるので、そういうことだと思うのですけれども。そういう方々がいざ、そういう究極の場に臨んだときに、どう自分で考え、何を判断し、どう決断していくかという。

門田 市丸少将は、航空部門で、海軍では知らない者のいない有名な人なのですが、自分で墜落事故で瀕死の重傷も負っていますからね。その時に、本来ならそこでもう命はなかったのですが、幸いに命をとりとめるのです。しかし、もう骨もやられ、大腿骨から顔面から、複雑骨折という、ものすごい重傷の中で生き延びて。

 そして、4年近い療養生活を送るのですが、そこで『再生録』というものを書き続ける。自分の思いや、その日あったこと、そして読んだ本の感想など、ずっと書いているわけです。それがやっぱりこの「ルーズベルトに与ふる書」に全部つながってきている。『再生録』の中に、元があるわけです。

 (...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦

人気の講義ランキングTOP10
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
平和の追求~哲学者たちの構想(2)世界市民と国家連合
「コスモポリタニズム」の理想と「国家連合」というプラン
川出良枝
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ