戦国合戦の真実
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
戦国時代のリアルな戦支度…兵の動員、馬の扱い、禁欲
第2話へ進む
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代といえば、名だたる武将たちの勇敢な戦い振りに目が行きがちだが、実際の合戦は田植え、稲刈りの時期は避ける、無闇に殺傷しないなど、田を耕す農民たちに配慮した方法が採用されていたという。1回目の今回は、上杉謙信を例にその方法論に迫る。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:7分44秒
収録日:2019年11月6日
追加日:2019年12月29日
≪全文≫

●戦国合戦の「動員方法」とは?


―― 皆様、こんにちは。本日は作家の中村彰彦先生に、「戦国合戦の真実」というテーマでお話をいただきたいと思っております。先生、どうぞよろしくお願いします。

中村 どうぞよろしくお願いします。

―― 戦国の合戦というと、日本人の場合、大河ドラマ等々を含めて追体験する機会も多いのですが、意外と現代人には知られていなかったり、忘れられてしまっていることもあるのではないでしょうか。ぜひ今回は、実際に戦国の人たちがどのように戦っていたのかをお聴きできればと思っております。

 そこで戦場の最初から最後までを追っていきたいと思うのですが、まず、戦争ということになると、(兵隊の)動員の話からになりますか。

中村 ええ、そうですね。ではまず兵隊をどう動員するかという話からします。戦国時代は兵農分離以前です。そして、領主は自分に仕えるある程度の侍集団を持っています。その侍たちは農民たちを監視するという役目の人たちです。

 当時の武家集団は、いわゆる荘園が崩れたものを自分のものにしています。もともとは荘園のために働いていた者が小作になったり、大百姓になったり、そしてその土地を治めた人間が納税権を持っている。ローマでいうとかなり僭主制に近い形ですね。

 しかし日本の場合は、とにかく農耕によって米を作る。その米が軍事力の元になるから、米作り、農耕の季節には絶対に農民たちは動員できないわけです。だから必ず晩秋になる。そして、稲の刈り入れが終わって、農閑期が来たとき、農民を100人につき何人出しなさいというような動員令を通告する。

 刈り入れの最中や田植えの一番真っ盛りの時期などに動員令をかけたりすると、農民は嫌がります。嫌がって、どこかへ逃散してしまいますので、領国経営が成立しません。


●農民に配慮した上杉謙信の戦い


中村 一番いい例は上杉謙信です。彼は新潟、昔は越後ですけれども、その越後の大稲作地帯を領有しているわけですから、その農民たちが全ての稲刈りを終えた11月の末ぐらいに、三国峠を越えて関東に出てくるのです。

 そして、前橋城を拠点として、江戸の大部分を領有していた小田原の北条氏と戦います。だから、前橋城というのは、もともとは「厩橋(うまやばし)城」というのです。厩に馬を入れておくわけですね。いちいち越後から雪の三国峠を越えて何百...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
技術と民生から見た明治維新(1)遠藤謹助
遠藤謹助―造幣局をつくった「造幣の父」
山内昌之
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
鶴見太郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(4)ビットコインは通貨たりうるか
ビットコインは通貨たりうるか…法定通貨との併存も困難?
養田功一郎
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
編集部ラジオ2026(11)日本史から読むメンタルヘルス
【10min解説】與那覇潤先生《日本人とメンタルヘルス》
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
高市政権の進むべき道…可能性と課題(4)外交力と防衛力の強化へ
求められる「能動的サイバー防御」、問われる本物の外交力
島田晴雄
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(5)海外協力隊と国際交流
永遠の課題は透明性…国際NGOに求められるガバナンス意識
小原雅博