戦国合戦の真実
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
戦国時代のリアルな戦支度…兵の動員、馬の扱い、禁欲
戦国合戦の真実(2)戦支度と馬の扱い方
戦には何人動員すればいいのか? 鎧はどうするのか? 馬は何頭連れていくのか? 後世まで語り継がれる合戦にも必ずあった「準備期間」に、武将たちは何を考え、どう行動していたのだろうか。合戦前夜までの手順を「動員」「具足」「馬」という観点から解説する。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:9分01秒
収録日:2019年11月6日
追加日:2019年12月29日
≪全文≫

●動員する数は、こうして決まる


―― 兵農分離をしていた地域もあったかもしれませんが、特に上杉の場合、大農業地帯というのは経済と一体になっているということでしょうか?

中村 そうですね。戦国時代は貫高制ですけれども、そのうちそれが面倒だということで、石高制になります。人の財産を、お米を計る単位である「石」で表現するというところが実にドラマチックですね。

―― 当時のことですから、人海戦術で人手をとにかくかける農業だった。そのため、合戦への動員は、農閑期をメインにするということですが、実際にはどういう形で動員をかけていくのでしょうか。

中村 この村には何人住んでいるということが年貢通帳に書いてあります。そのなかの成人、すなわち15~16歳以上50歳未満ぐらいの戦闘能力のある、そうした体力がマッチする人間、いわゆる「壮丁」が対象になります。

 村ごとに壮丁が何人いるかは分かっているため、今回の敵はたいして強くないという場合には、例えば100人いたら4人だけを呼ぶということになる。これを「四人役」といいます。しかし、今回の敵は強いから「六人役」、あるいは、ちょっと厳しくなりそうだから、「八人役」というふうに決めて、動員をかける。そして、これでいいだろうという人数を確保する。さらに、敵のところに、いわゆる「乱破(らっぱ)」「素破(すっぱ)」という当時のスパイを忍び込ませて調べるので、敵は何人で来るというだいたいの数は勘定できている。こうして、それに見合う兵力で迎撃を考えていくのです。


●鎧、具足一式はレンタルできた


中村 また、ちゃんとした武将は自前のいい鎧を持っているわけですけど、動員する農民はあまりいい鎧や甲冑を持っていません。ですから、当時の戦国大名は足軽たちに貸すための鎧と具足一式をたくさん持っていて、それを貸し与える。これを「お貸し胴具足」(足軽胴)といいます。

 ということで、借り物の具足と、籠手(こて)、脛当(すねあて)、鉄の兜、それから合当理(がったり)といって、鎧の後ろ(背中)に筒をつけ、そこに旗印を挿すのですが、そうしたものを一式貸してもらうわけです。

 それらには、だいたい朱の漆で家紋が描いてあって、どこの将に仕える足軽かが一目で分かるようになっています。同士討ちなどしたら大変ですからね。

 ところで、テレビなどを見ていると、「いざ出...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(4)消された歴史を掘り起こす
根本博の功績は台湾では消されていた…取材でいかに正史を変えたか
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(4)共感としての見えざる手
利とは、義の和である…なぜ道徳的なふるまいが企業活動に重要か
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
戦前派一日本人の憂鬱~太平洋戦争と敗戦後を顧みて…(1)
『きけわだつみのこえ』を読むと今でも涙が止まらない
野田一夫
地政学入門 歴史と理論編(7)戦争を起こさないための地政学
トゥキディデスの罠の教訓…大事なのは戦争回避の4ケース
小原雅博