戦国合戦の真実
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
真田幸村と木村重成の最期の逸話にみる「武辺の道」
戦国合戦の真実(6)武士が自らの「首」に込めた思い
勝てば生き長らえるだけでなく、恩賞によって一国一城の主になれる可能性もあるのが合戦。しかし同時に、相手に討ち取られ、首実検の場に自らの首をさらすことになるかもしれないのも合戦である。そこで出陣前に香を焚くという。そこには、たとえ首になろうとも美学をつらぬく武士の心得がある。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分40秒
収録日:2019年11月6日
追加日:2020年1月12日
≪全文≫

●戦場での手柄の証となる「首」


中村 今度は戦争の終わり方をお話ししましょう。

 日本の場合は、何千キロも向こうで勝負を決するということがありませんでしたので、兵站線をどのようにつくるかについては、あまり発達しませんでした。悪しき習慣ではありますが、現地調達主義で、自分たちが持っていった食料が足りなくなったら、その辺りに乗り込んで、全部略奪して、それを食べ物にする。ついでに女性も略奪して、自分の奥さんにするケースもありますが、売り払うことも多い。ですから上﨟(じょうろう)を売りに出しているから「女郎(じょろう)屋」といわれるわけです。

―― 身分の高い人たち(女性)のことですね。

中村 上﨟、つまり高級な奥女中さんたちがかどわかされて、身を売ることになる。それで「じょうろう」が訛って「じょろう」になるのですね。一方、男はだいたい殺されるか、奴隷身分に落とされる。そういう悲劇がいろいろなところで起こっているわけです。

 戦が終わるときには、誰が、どのような手柄を立てたのか、今、企業が人事査定を行うようにしっかりと査定する。

 では、どういう査定をするのか。まず、討ち取った際、必ず首を斬って、主にお見せして、評価を受けなくてはいけません。ですから、戦場で敵と渡り合って、首尾よく相手を討ち止めたときのために、必ず侍はスイカが入るくらいの首袋を何袋か持っているわけです。首袋は腰に付けるので、腰のあたりに血がついて大変なことになります。そして、陣地へ引き揚げて取り出す頃には、汚れきっていますから、きれいに洗う。戦に行くときは頭に鉢巻を締めて、烏帽子を被って、その上に兜をしますので、髷を結っていたら邪魔になってしようがない。そこで、いわゆる「大童(おおわらわ)」という、ざんばら状態にします。そのため、討ち取られた敵の首も当然同じ恰好になっているので、きちんと汚れや血の気を拭ってやって、髷を結んでやるのです。

 平家時代から高級な武士たちは、化粧をする。シミを隠す化粧、あるいは公家と同じようにお歯黒をする。いい恰好に結ってやって、お歯黒をさせると、無名の首でも有名な人、大物を討ち取ったように見えて、自分の査定が上がる可能性があるのです。


●平家以来の優にやさしき“もののふ”の心がけ


中村 その首を首桶という桶にちゃんと入れる。首実検をするのにも時間がかか...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留