ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国
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プーチンがいなくなっても終わらない…戦争終結の条件とは
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(7)ロシア・ウクライナ戦争の終わり方
廣瀬陽子(慶應義塾大学総合政策学部教授)
長期化するロシア・ウクライナ戦争だが、諸外国の思惑と不安が錯綜する中、ロシアの完全撤退を求めるウクライナと、それを拒むロシアという、どちらにとっても負けられない戦争が続いているという状態だ。では、この戦争が終わるための落とし所はどこにあるのか。両者の交渉は困難な状況にあるのが現状だが、周辺国や日本の対応を含め、この戦争の終わり方について考える。(全7話中第7話)
時間:9分35秒
収録日:2024年7月25日
追加日:2024年10月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●ロシア・ウクライナ戦争をとりまく各国の姿勢


 そういう中で、この戦争が終わるのかということなのですけれど、なかなか難しい状況にあります。

 例えばアメリカは、もともとは中国とやり合いたかったのです。なので、早くこの戦争が終わってほしいわけで、この戦争でもちろんウクライナが負けてはいけないのですけれど、ウクライナが勝ちすぎてもダメで、つまりロシアが弱体化しすぎてもダメだというところでありまして、だからこそ、少しずつ援助してきたということになります。

 昨年(2023年)末から今年(2024年)にかけて、アメリカの援助が滞っていたのですけれど、(2024年)4月に支援が決定されて、再び支援が行われるようになったことはウクライナにとって非常に重要なことです。しかし、今のアメリカの最近のニュースは、もっぱらアメリカ政治になってしまっていますけれど、読めない部分が多すぎるので、不安定要因になっています。

 ヨーロッパは、基本的にはウクライナ支援ということで大きくはまとまっているものの、例えば自国中心主義のハンガリーがいたり、国によってもウクライナ疲れが多く出ている国、そして非常に強くウクライナを支える、イギリス、ポーランド、バルト三国というような正義派がいたり、かなりウクライナ支援に対するスタンスはまちまちになっています。

 ただ、この間、ハンガリーはかなり親ロ派で、ハンガリーのオルバン首相は就任早々に外交交渉を行ったりして、ウクライナとしては嫌なムードが出ております。

 そして中国、トルコは、この状況をいかに自国にとって有利に展開するかということに必死です。特にトルコはNATO加盟問題ですとか、軍艦問題で自国の立場を強く売り、また戦争当初はトルコが和平を仲介していたということもあって、かなり今回のことで国際的なプレゼンスを高めているということがあります。

 中国はそもそも侵攻を望んでいなかったわけなのですけれど、ロシアとは対米ということで常にタッグを組んできましたので、ロシアを見捨てることもできません。しかし、ロシアに与することもできないという非常に難しい立場に置かれています。

 ですので、今は欧米からの制裁がないように、直接的な軍事支援はしないものの、デュアルユース品でなんとかしのいでいます。しかし、最近ではデュアルユ...

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