ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
プーチンがいなくなっても終わらない…戦争終結の条件とは
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(7)ロシア・ウクライナ戦争の終わり方
廣瀬陽子(慶應義塾大学総合政策学部教授)
長期化するロシア・ウクライナ戦争だが、諸外国の思惑と不安が錯綜する中、ロシアの完全撤退を求めるウクライナと、それを拒むロシアという、どちらにとっても負けられない戦争が続いているという状態だ。では、この戦争が終わるための落とし所はどこにあるのか。両者の交渉は困難な状況にあるのが現状だが、周辺国や日本の対応を含め、この戦争の終わり方について考える。(全7話中第7話)
時間:9分35秒
収録日:2024年7月25日
追加日:2024年10月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●ロシア・ウクライナ戦争をとりまく各国の姿勢


 そういう中で、この戦争が終わるのかということなのですけれど、なかなか難しい状況にあります。

 例えばアメリカは、もともとは中国とやり合いたかったのです。なので、早くこの戦争が終わってほしいわけで、この戦争でもちろんウクライナが負けてはいけないのですけれど、ウクライナが勝ちすぎてもダメで、つまりロシアが弱体化しすぎてもダメだというところでありまして、だからこそ、少しずつ援助してきたということになります。

 昨年(2023年)末から今年(2024年)にかけて、アメリカの援助が滞っていたのですけれど、(2024年)4月に支援が決定されて、再び支援が行われるようになったことはウクライナにとって非常に重要なことです。しかし、今のアメリカの最近のニュースは、もっぱらアメリカ政治になってしまっていますけれど、読めない部分が多すぎるので、不安定要因になっています。

 ヨーロッパは、基本的にはウクライナ支援ということで大きくはまとまっているものの、例えば自国中心主義のハンガリーがいたり、国によってもウクライナ疲れが多く出ている国、そして非常に強くウクライナを支える、イギリス、ポーランド、バルト三国というような正義派がいたり、かなりウクライナ支援に対するスタンスはまちまちになっています。

 ただ、この間、ハンガリーはかなり親ロ派で、ハンガリーのオルバン首相は就任早々に外交交渉を行ったりして、ウクライナとしては嫌なムードが出ております。

 そして中国、トルコは、この状況をいかに自国にとって有利に展開するかということに必死です。特にトルコはNATO加盟問題ですとか、軍艦問題で自国の立場を強く売り、また戦争当初はトルコが和平を仲介していたということもあって、かなり今回のことで国際的なプレゼンスを高めているということがあります。

 中国はそもそも侵攻を望んでいなかったわけなのですけれど、ロシアとは対米ということで常にタッグを組んできましたので、ロシアを見捨てることもできません。しかし、ロシアに与することもできないという非常に難しい立場に置かれています。

 ですので、今は欧米からの制裁がないように、直接的な軍事支援はしないものの、デュアルユース品でなんとかしのいでいます。しかし、最近ではデュアルユ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
今後の技術革新と企業経営(6)仮想通貨とフィンテック
仮想通貨が本当の「通貨」にならない理由
柳川範之
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博