ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ロスアトムは制裁外…世界に影響を与えるロシア原子力産業
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(5)持てる国の強みとグローバルサウス
廣瀬陽子(慶應義塾大学総合政策学部教授)
「持てるもの」の強み――ヨーロッパの国々からの制裁をかわし、継戦能力を維持しているロシアには、エネルギーと食糧という豊富な資源がある。それらを武器に制裁への報復も仕掛けているロシアだが、中でも注目すべきは世界に影響を与えるロシア原子力産業、ロスアトムの存在である。制裁をかけられないということだが、いったいどういうことなのか。さらに、存在感を増すグローバルサウスを取り込もうとしているロシアの動きとともに、国際社会に突きつけられた問題について解説する。(全7話中第5話)
時間:13分26秒
収録日:2024年7月25日
追加日:2024年10月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●「持てるもの」ロシアの制裁への報復


 他方、ロシアに制裁をかけている国というのは、必ず返り血を浴びることになるわけですが、返り血を浴びている国にとってみれば、われわれは痛い思いをしているのに、ロシアには響いていない。これはなんたることか。もうウクライナ支援なんてやめたほうがいいのではないかということで、ウクライナ支援疲れを促進してしまうということにもなるわけなのです。

 そういう中で、ロシアはハイブリッド戦争の制裁の報復措置として、世界に大きな揺さぶりをかけております。ロシアは「持てるもの」の強みとして、エネルギーと食糧を武器にしているのです。

 まずエネルギーですけれど、そもそもこのエネルギー価格はウクライナ戦争の始まる前から少し高い傾向があったわけなのですけれど、さらにこれが深刻になっています。

 特にロシアは、史上初のエネルギーの武器化をやっているのです。それでエネルギー価格がどんどん高くなっておりまして、さらにそれに乗っかるような形で、例えばサウジアラビアのような産油国もこの流れに乗っかって、錬金術をやっているという状況です。

 例えば、サウジアラビアは産油国なので、ロシアのエネルギーを買うような状況にはまったくないのですけれど、この戦争が始まってから大量にロシアの安いエネルギーを買っているのです。どうしてかというと、安いロシア産を自国消費に回すのです。そして自国の生産はかなり抑えて、そして高くヨーロッパに売るということをやっているのです。生産を抑えれば抑えるほど価格が高くなるということで、錬金術をやっています。

 そして、このような産油国とロシアとの関係も強まっていまして、サウジアラビアとUAEは今年(2024年)BRICSにも入っています。こういうところで、ロシアのお友達(関係)は今後ますます深まっていくわけです。

 このような流れに対して、ロシアに儲けさせてはいけないということで、欧米は2022年12月以降、石油と石油製品の取引価格の上限設定をやっていますけれど、ロシアは手を変え品を変え、例えば闇の船団を作って売るなどをやっておりまして、ロシアには響いていないのです。


●ロシアの原発を扱う「ロスアトム」の存在


 他方...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤