ロシア「内政・経済・外交」の真実
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ロシアにとっては予想外…苦しい戦況となった3つの要因
ロシア「内政・経済・外交」の真実(2)ウクライナ侵略3つの戦略的マイナス
上月豊久(元駐ロシア日本国特命全権大使)
内政や経済だけでなく、外交においても排外主義的傾向を強めるロシア。それはプーチンが大統領就任当初から目指してきたことだった。ウクライナへの侵略もそうした内向きな政治に生かされようとしているが、そこには誤算もあった。ウクライナとの戦争がロシアにとって予想外に苦しい戦況となった理由を、3つの要因を中心に解説する。(全3話中第2話)
時間:12分20秒
収録日:2024年7月8日
追加日:2024年10月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカとの溝を深めていったロシア外交の経緯と排外主義傾向


 外交について申し上げますと、実はプーチンが大統領に就任して9.11(アメリカ同時多発テロ)があったときに、いちばん最初にブッシュ大統領に電話をしたのはプーチンでした。彼は9.11を見て、このイスラム原理主義には、ロシア国内でチェチェンのイスラム原理主義を抱えておりましたから、共通の敵として協力しようという姿勢を示したのは確かだったのです。

 それが、次第にだんだん溝が広くなっていきます。よくいわれますね。やはりNATOの拡大、それからカラー革命、そしてチェチェンの指導者の亡命をイギリスやアメリカが許可したこと、さらには2008年のジョージア紛争、2014年のクリミア併合と、ずっと悪くなっていきます。

 プーチンは、しばしばNATOの拡大を利用しながら、「ベーカー(元アメリカ国務長官)は約束したではないか。東西ドイツの統一のときにNATOは1ミリたりとも拡大しないと約束したではないか。それを破った」ということを何度も繰り返して言っているのです。

 よく考えてみれば、NATOの加盟というのは加盟条件があって、加盟国によって決められていくのであって、過去のアメリカの国務長官が将来を縛る権利なんてないわけです。

 いちばん最初に入ったグループはチェコとポーランド、ハンガリーの3国ですけれど、この3国は、実は戦後にワルシャワ条約機構が侵攻していった国なのです。

 だから、そういうロシアに対する苦い思い出、苦い記憶が、彼らをしてNATOに入ろうとさせたということは、いわば自業自得な面があるといわざるを得ないだろうと思います。

 戦争が始まった2022年2月から、全体の目は西側からいわゆるグローバルサウスに向けて大きな転換をしていました。この傾向は非常に強くなります。

 2022年から2023年11月までの間、ラブロフ(ロシア外相)が何回会談をしたかを調べてみました。366回会談しているうち、西側の会談はたった20回です。特にこの戦争が始まってからの大きな変化というのは、西側とは距離を置いてグローバルサウスに目を向けた外交を展開しているという姿になります。

 内政、経済、外交の3つの大きな変化に共通しているのは、いってみれば、ロシアは内政的にも非常に内向きになっているし、経済もそうなっています。外交的に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
「進化」への誤解…本当は何か?(2)「進化論」対「創造論」
「進化論」対「創造論」…アリストテレスの目的論とは?
長谷川眞理子
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純