トランプ政権の対ロシア戦略の裏側
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
対露ディール外交でロシアが亡国化!? 米露デタント派の逆襲
トランプ政権の対ロシア戦略の裏側(2)逆ニクソン戦略とトランプの勝算
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
トランプ政権の対露ディール外交の背景には、キッシンジャー人脈による「デタント派」の存在がある。トランプが目論むのは「逆ニクソン戦略」と呼ばれるもので、ウクライナ戦争の責任をヨーロッパに押し付けて、ロシアを国際社会に戻し、対中牽制を強化すること。しかし、「米露デタント派の逆襲」と呼ばれるこの戦略が逆説的に亡国へと追い込むことになるという。どういうことなのか。今回は、トランプ外交の本質とその勝算について、日本の有事の可能性と合わせて分析する。(全2話中第2話)
時間:16分17秒
収録日:2025年3月14日
追加日:2025年4月12日
カテゴリー:
≪全文≫

●トランプの目論む「逆ニクソン戦略」


 こういった時代背景があってトランプが出てきたのですけれど、先ほど(第1話で)も申しましたように、トランプはキッシンジャーの直系の弟子といえる人物です。ここでトランプの対露ディール外交のビジョンは、明確化された米露間の影響圏、19世紀の帝国主義の論理を21世紀に持ってきて、米露間で影響圏の線引きをしようというのが、今の米露の接近の背景になります。

 これはロシアをちゃんと大国として永遠に存続するということを受け入れた前提なのです。なので、これはアメリカとロシアに経済格差とかがあるにしろ、対等な関係で話し合うということなのです。

 トランプが目指す対露ディール外交のゴールなのですけれど、これはウクライナ戦争の負担を欧州に押し付けて、ロシアを国際社会に戻して、対中牽制を強化することです。この戦略は「逆ニクソン戦略」(と呼ばれるもの)で、ロシアと組んで中国を封じ込めるということです。

 逆ニクソン戦略はキッシンジャーの最大の遺産であり、この写真にあるようにトランプ第1期目のときは、頻繁にキッシンジャーがホワイトハウスに訪問して、トランプにいろいろと外交のアドバイスをしていました。下の写真は、クレムリンにキッシンジャーが訪問してプーチンと会談しているところなのですけれど、このときもかなりプーチンにいろいろなアドバイスをして(います)。

 キッシンジャーはウクライナ戦争で米露の対話のチャンネルが途絶えた後でも積極的にクレムリンに訪問して、プーチンと会談をします。かなり高齢で100歳ぐらいの歳ですが、ワシントンとモスクワを行き来していた方なのです。キッシンジャーは、ただの理論家ではなくて、本当の裏の外交チャンネルを握っているのです。キッシンジャーがそういった役割を演じていたので、今回の米露間のウクライナ和平に関する構想も、かなり彼自身が練ったものがあるのです。


●キッシンジャーの考えるウクライナ戦争のシナリオ


 キッシンジャーはウクライナ戦争に関するどういう認識を持っているのかというと、これは2022年7月に彼が提唱した案なのですが、まず当時のウクライナ戦争の方向性を3つ挙げました。

 1番目は現状ラインで停戦というもので、これはロシアの勝...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(2)良き対話のための「問い方」の技法
良き対話のための「問い方」の技法とは?…ソクラテス流に「YES、NO」で答えさせ、お互いの考えを確認して進む
納富信留
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
ロシア「内政・経済・外交」の真実(1)国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
上月豊久
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎