●3つのポイントから米露関係を考える
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)の上級フェローを務めています、東と申します。本日はよろしくお願いします。
今回は「米露デタント派の逆襲」ということで、今のトランプ第2次政権が正式に発足して約2ヶ月が経つのですが、ついに米露関係が本格的に動き始めたということをもって、米露関係の最近の動き、そして今後の展望に関して説明したいと思います。
まず問題提起なのですけれど、トランプの対露ディール外交はどこに向かうのか、ということで、3つのポイントを問題提起したいと思うのです。まず対露ディール外交の起源はどこにあって、そのビジョンはどこを目指しているのか、そして対露ディール外交を実際にやったらどういう逆説が起こり得るのか。この3つについて解説したいと思います。
まず、トランプの対露ディール外交ですが、実はアメリカの長い歴史を見ると、アメリカの対露外交の本流を形成しており、これは現実主義(リアリズム)に基づく対露外交になるのです。
最近までメインストリームと考えられていた、ロシアおよび旧ソ連諸国を民主化してロシアを揺さぶるという戦略は、冷戦以降に根付いたものなのですけれど、これはどちらかというと傍流に当たり、現実主義に対するアイディアリズム、つまり理想主義に一脚するものであります。
ここで重要なのは、ヘンリー・キッシンジャーという元国務長官がおられましたが、彼が冷戦期にアメリカの対露外交の本流を復活させて、その本流のラインを継承したことです。これが、米ソ(当時)デタント緊張緩和、そして米露核軍縮条約SALTI(ソルトワン)等に現れたという前例があります。
キッシンジャーという人物はトランプ、そしてトランプ政権の関係者と密接なコネクションを持っていまして、特にトランプ政権第1期目のときにトランプ大統領の外交安保の指南役として、かなり裏で暗躍していた人物でした。
したがって、トランプはすごくキッシンジャーから影響を受けています。それが最も顕著に現れているのが米露関係です。特に彼の対露外交に最も顕著に現れています。
トランプは対露外交のビジョンとして何を描いているかというと、米露間...