●100年ぶりのアメリカ第一主義
今回もトランプのお話をさせていただきます。米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)の上級フェローを務めている東と申します。よろしくお願いします。
今回のタイトルは「狂騒の20年代後半」、まさに2025年以降の話をするわけなのですけれど、本格的に、100年ぶりに米国第一主義(アメリカファースト)が逆襲をしたということです。今後のトランプ第2次政権の方向性を見ていきたいと思います。
問題提起をしたいのですけれど、第2次トランプ政権、トランプ(Trump)2.0のアメリカはどういう進化をするのでしょうか。これを歴史の観点から考察したいと思うのですけれど、まずアメリカの歴史は面白くて、サイクルが結構ありまして、それがまず制度サイクルです。これは連邦政府のあり方を問うことになるのですけれど、連邦政府のあり方がサイクルによってけっこう変わっています。次にやるのが社会経済サイクル、主にその社会体制、あと経済体制が、これもサイクルによってころころ変わっています。最後に対外関係です。アメリカの外交政策というのもサイクルを基軸に変わっています。
なので、アメリカの歴史において、トランプ第2次政権をこのサイクルに基づいて位置づけたく思います。
●トランプ第2次政権の3つの焦点
要旨なのですけれど、トランプ第2次政権というのは米国第一主義(アメリカファースト)の逆襲であり、これも100年ぶりに本格的にアメリカファーストの時代に突入したということです。
制度サイクル、その連邦政府のあり方を見てみますと、今までテクノクラシーという連邦政府のあり方、つまり専門家集団による統治があったわけなのですけれど、これが今違うものに移行して、「国家リバタリアニズム」というべきものに変わってきている。(つまり)新しいサイクルの形がまだ形成されている状態なので、具体的な定義はできませんが、大まかな形は国家リバタリアニズムというべきものに変遷しているのです。
次に社会経済サイクルです。これは今までグローバリズムを基調とした経済体制、社会体制でやってきたわけなのですけれど、これからアメリカはどういう方向に進むかといいますと、まず「脱グローバル...