「同盟の真髄」と日米関係の行方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
政治と経済
杉山晋輔(元日本国駐アメリカ合衆国特命全権大使)
「こりごりだ」「アイ・ラブ・トランプ」…いったいどちらが本当のトランプ評なのか。前大統領のトランプ氏は、過激な発言で物議を醸すことも多かったが、その人柄はどのようなものだったのだろうか。2024年11月アメリカ大統領選挙を前に、トランプ氏の実像について、前回大統領時に側近を務めた者たちの声とともに語る。(全8話中第7話)
時間:6分02秒
収録日:2024年4月23日
追加日:2024年7月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●「こりごりだ」…振り回されたトランプの優秀な側近たち


 次に、4年前の図をもう1回開けると、4年前にこういう形でバイデンさんが得票率でも勝って、選挙人もヒラリー・クリントンさんの時とトランプさんの時と逆になって勝ったのが、今度どうなるか分かりません。

 1ついえるのは、私が去年(2023年)12月にアメリカに半年ぐらい行く前は、そうはいっても(共和党の候補として)トランプさんはないのではないか。トランプさんの側近だった人たち、例えばマイク・ペンスさんはずっと副大統領で、ランニングメイト(大統領候補の伴走者=副大統領候補)だから途中で辞めるということは普通ないのです。

 けれど、辞めた途端に、この選挙が始まる時に、マイク・ペンスさんはトランプさんに反旗を翻して自分も立候補したわけです。立候補したのだけれど、全然トランプさんに敵わないので、さっさと撤退しました。撤退してこの(2024年)3月にCNNを見たら、ペンスさんが出てきて、「トランプさんが今度共和党のノミニー(被推薦人)になるかもしれないけれど、俺はもう絶対に支持しないから」と。要するに、4年間やってもうこりごりだという人の象徴です。

 実は「こりごりだ」と言った人は何人もいて、私もよくお付き合いしている人でも、「私はもうこの人、勘弁して。とてもではないけれど一緒にはできない」と。皆さんもよくご案内の人で、有名な人は何人もいますけれど、私も非常に感銘を受けた人の一人はジェームズ・マティス将軍です。

 国防長官を3年やって、マティスさんは4年我慢できなくて辞めました。マティスさんはペンスさんと違って、(表に)出てきて「こんなやつとはもう二度とやらないから」「一緒にやらない」なんていうことはおっしゃいません。カルフォルニアに引っ込んでしまって、私は1、2回連絡を取ったことありますけれど、もうほとんど出てこないのです。「もう、あの世界はこりごりだ」と。

 ちなみにマティスさんは大将ですから、ものすごく武勲のあった、立派な軍人さんです。けれども、私は彼の家に伺ったことは残念ながらありませんでしたが、本人の話によると、自宅に蔵書が8000冊くらいあって、それは軍事の専門の本だけではなく、国際法から国際関係、経済から文学から、ありとあらゆる本を持っている、大変な読書家、教養人だとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
経済秩序や普遍的価値観を破壊し、軍事力行使も辞さぬ米国
佐橋亮
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也

人気の講義ランキングTOP10
未来を知るための宇宙開発の歴史(14)宇宙開発は未来をどう変えるか
『2001年宇宙の旅』が現実になる!?カギは宇宙医学
川口淳一郎
徳と仏教の人生論(2)和合の至りと正直
正直とは何か――絶対的存在との信頼関係の根幹にあるもの
田口佳史
ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯
ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生
江崎昌子
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(2)再生可能エネルギーの可能性と経済性
やればできる!再生可能エネルギーのポテンシャル高い日本
小宮山宏
クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か
中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う
上杉勇司
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
【入門】日本仏教の名僧・名著~総論(1)名僧の原著に触れる意味
「文は人なり」――原文を読んで名僧の思想の息吹に触れる
賴住光子
編集部ラジオ2025(25)クーデターで考える「政治の要点」
台湾クーデター・シミュレーション…「世直し」への条件
テンミニッツ・アカデミー編集部
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ