トランプ2.0~アメリカ第一主義の逆襲
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
宇宙帝国主義――トランプ2.0の最重要アジェンダの正体
トランプ2.0~アメリカ第一主義の逆襲(3)トランプ2.0のゴールと日米関係
政治と経済
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
トランプ第2次政権のゴールは、アメリカの「ゴールデンエイジ(黄金時代)」を築くことである。そこでは、究極的なフロンティアとしての宇宙の覇権を取ることや、西半球の欧州との外交が重要視されることを意味する。いったいどういうことなのか。歴史的にアメリカファーストという時代には鬼門された日米関係の今後と合わせて解説する。(全3話中第3話)
時間:16分51秒
収録日:2025年3月21日
追加日:2025年5月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●トランプが目指す「ゴールデンエイジ(黄金時代)」とは


 トランプ2.0のゴールと焦点、(つまり)トランプ第2次政権のゴールを見ますと、トランプが何度もスローガンとして言っていますが、それは「アメリカの黄金時代(ゴールデンエイジ)」なのです。

 このゴールデンエイジはすごく重要な概念で、アメリカの歴史を見ますと、今までに2つぐらいの例があります。まず第1次黄金時代の「金ピカ時代」といわれた時代です。1870年代と1880年代、この20年ぐらいなのですけれど、どこを焦点としてこの黄金時代が当時実現されたかというと、南部の経済復興、南部の工業化を表します。次に、西部開拓、特にカリフォルニア等の開拓が凄まじかったのです。第3に、アメリカ全土の工業化がありました。これでアメリカはものすごい経済力をつけて、当時の大帝国をかなり追い越すぐらいまでアメリカは成長しました。

 第2次黄金時代はアイゼンハワー時代の1950年代なのですけれど、フランクリン・ルーズベルトが始めたニューディール政策をうまく国内の黄金時代に収れんさせたのがドワイト・アイゼンハワーでした。彼は共和党の大統領だったのですけれど、基本的にルーズベルトの経済政策を踏襲して、国内インフラを徹底的に開発しました。アイゼンハワーこそが、全米に張り巡らされたフリーウェイの基礎をつくったわけなのです。

 次に科学技術開発です。これはアイゼンハワーがスプートニックというソ連の衛星が打ち上げられたときの対応として、アメリカの科学技術を徹底的に国家が補助金を出して奨励するという体制をつくりました。

 次にアイゼンハワーがなし遂げたのが宇宙開発です。NASAをつくったのがアイゼンハワーですから、宇宙開発もアイゼンハワーがかなり力を入れてやりました。

 この1950年代がアメリカの歴史の中でいちばん豊かだったときだと思います。実は面白いのが、この50年代の記憶がある人がまさにトランプ大統領であり、あとはトランプ大統領に経済問題に関するアドバイスを吹き込んでいるロバート・ライトハイザーのような人たちなので、この50年代の記憶がまだある人が現政権についているのです。なので、トランプがゴールデンエイジというのは、アイゼンハワー時代が古き良きアメリカがけっこうモデルとなっています。

 第3次黄金時代は、今トラ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプの動きを止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
多数派が多数でなくなるとき
悩める多数派…なぜ「多数は少数の集まり」と考えるべきか
曽根泰教
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(6)習近平のレガシー
国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?
垂秀夫
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?
学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く
テンミニッツ・アカデミー編集部
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(4)クーデター後の民政移管とその方策
軍政から民政へ、なぜ李登輝はこの難業に成功したのか
上杉勇司
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
大人の学び~発展しつづける人生のために(1)「Unlearn(アンラーン)」とは何か
見方を変える!生き方を変える!そのためのアンラーン
為末大