アメリカの理念と本質
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ウォルター・ラッセル・ミード提唱「四つのアメリカ」とは
アメリカの理念と本質(7)四つのアメリカ
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
日本人のアメリカ理解を促すのに役に立つのが「四つのアメリカ」である。これはアメリカ外交史の泰斗といえるウォルター・ラッセル・ミード氏が提唱するもので、第一は「ピューリタンのアメリカ」、第二に「バージニアのアメリカ」、第三に「ミッド・アトランティックのアメリカ」、第四に「ジャクソンのアメリカ」で、これが今日の大問題といえる「トランプ的アメリカ」である。移民事情などからそれぞれ社会も文化も全く異なるのだが、どのようなアメリカのことをいっているのか。その特性について解説する。(全10話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分53秒
収録日:2024年6月14日
追加日:2024年10月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●人工国家アメリカの複雑性


―― アメリカの場合、先ほど先生から、現代でいうとイスラム教原理主義の考え方で国をつくったようなものに似ているというお話もありました。また、当時において、古代の理想を現代に持ってきて、アメリカという共和国を建国しようと取り組んだということもそうなのでしょう。いずれにしても「理念的」というか、「人工的」なつくられ方をしている部分が非常に多い国なのだろうということが、非常に如実に感じられます。

 この辺り、ある意味で自然な姿でずっと発展してきた日本のような国からは少し理解が難しいところがあるのかと思いながらうかがっていたのですが、このギャップについて、どのようにお考えですか。

中西 やはりアメリカは、その意味では「人工(人造)国家」です。個人的なことで恐縮ですが、初めて私がアメリカの土を踏んだときに思ったことがあります。私のアメリカ経験は非常に特異で、アメリカ建国200年という年に、たまたまイギリスの大学に留学していたものですから、イギリスの学生団体が募集した「アメリカ独立200年記念旅行」の企画に応募して、大西洋を渡ってアメリカに行ったのです。

 それが最初でしたが、ニューヨークの港に上がると、何か国連に来たような感じを受けました。つまり、いろいろな要素が混じり合って出来上がった国、非常に人工的な国で、国際社会そのものがアメリカなのだというような意識です。何か土に根差した土着的な文化や社会の匂いのようなもの、あるいは文明の持つ独特なもの、普遍性を超えた個別性みたいなものを感じないのです。

 そういうアメリカ理解では、とても今いわれたようなことを考えるいとまはなかったのですが、その後、長い間アメリカをいろいろ見つめ、アメリカに住んでみた。いろいろな経験をして、さまざまな歴史を学んだ中から考えてみると、冒頭ではアメリカという国のピューリタニズム問題を強調しましたが、実は非常に複合的な要素から成っていると思いました。


●ウォルター・ラッセル・ミードが提唱した「四つのアメリカ」


中西 これはアメリカの歴史家で有名な方、現代のアメリカを代表するアメリカ外交史の泰斗といってもいいウォルター・ラッセル・ミードという人の言っていることですが、「アメリカの外交を考えるとき、あるいはアメリカの社会や文化を考えるときには、四つぐらいのアメリカを...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(4)新規事業成功のポイント
新規ビジネスの立ち上げ方、伸ばし方、見切り方の具体例
水野道訓
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
軍事力行使も辞さぬトランプ政権が破戒する普遍的価値観
佐橋亮
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之