ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
出稼ぎかテロリストか…旧ソ連諸国からの労働移民の現実
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(6)狭間の政治学で考える旧ソ連諸国
廣瀬陽子(慶應義塾大学総合政策学部教授)
いまだ予断を許さないロシア・ウクライナ戦争。その今後を展望するためには、旧ソ連諸国がいかに生き残っていくかを考える「狭間の政治学」という視点が重要だ。タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスなどの小国は、大国といかにバランスを保ち外交していくべきなのか。親ロシア地域の台頭で脅威が迫るモルドヴァなど、旧ソ連諸国の現状と課題を解説する。(全7話中第6話)
時間:16分53秒
収録日:2024年7月25日
追加日:2024年10月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●小国の生き残り方に着目する「狭間の政治学」


 そして、ここからはなかなか日本のメディアでは扱わない旧ソ連諸国のことを考えていきたいのです。

 旧ソ連諸国は、ユーラシアに所属している国々になりますけれど、ユーラシアを見ていく上では、「狭間の政治学」と私が呼んでいる考え方が重要になります。大国間で小国、つまり旧ソ連諸国がいかに戦略的に生き残るかというところなのです。

 そこで重要になってくるのは、いかにいい輸送ルートを獲得するか。また資源があるか、ないかです。資源があればいい。なくても、輸送ルートが国に走っていればよい。何もないとけっこう厳しいということなのです。

 また、水資源問題です。中央アジアが今、深刻なのですけれど、これをロシアが利用する可能性が高まっています。

 また、経済も問題です。これもロシアが利用しているところでありますし、このウクライナ戦争が拡大する陰で、イスラム勢力がどんどん成長しているということもあります。これはテロが最近多くなっている影の理由でもあるわけです。

 ユーラシアの中でも、ロシア語が残存している国ほどロシアとの関係は深いということになります。また、旧ソ連諸国は、けっこう権威主義が多いのです。権威主義国ほどわりとロシアと親和性があり、そしてソ連ノスタルジーも持っているという傾向があります。

 そして、こういう国とロシアとの関係なのですけれど、わりと戦争が始まってすぐは、旧ソ連諸国がロシアを馬鹿にしているのではないかということが、けっこう日本の報道でいわれていました。例えば、アルメニアのパシニャン首相は、プーチン大統領にいろいろものを言うであるとか、写真を撮るときにプーチンと距離を取るとかです。

 これは旧ソ連諸国の国々がウクライナとの戦争で苦戦しているロシアを見て、そんなに強くないではないか、馬鹿にしているのではないか、ということをいわれたわけなのですけれど、ちゃんと見ますと、ロシアと旧ソ連の関係はそんな単純なものではないのです。

 今回の戦争の中で、ロシアの影響力が弱まった部分と強まった部分があります。政治的、軍事的にはたしかに弱まったといいますけれど、経済的にはむしろ強くなりました。そして、ロシアの脅し力はむしろ強くなった...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩

人気の講義ランキングTOP10
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
クラシック音楽で世界史がわかる…宗教音楽からクラシックへ
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子