ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国
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白物家電を軍事転用!?…深刻な「制裁の抜け道」問題
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(4)制裁の効果と抜け道の問題
廣瀬陽子(慶應義塾大学総合政策学部教授)
ウクライナへのハイブリッド戦争を繰り広げるロシアにとって誤算だったのは、ヨーロッパの国々からの強い制裁である。しかし、ロシアはその制裁に対し、これまでの通商の姿勢を変えて厳しい状況に順応し、国力を維持させている。これは制裁の効果はあるが、ロシアにはそれが響いていないことを意味する。そこには制裁の抜け道があるからだ。どういうことなのか。具体的に並行輸入やデュアルユース品といった抜け道を駆使するロシアの動きを解説する。(全7話中第4話)
時間:9分44秒
収録日:2024年7月25日
追加日:2024年10月9日
カテゴリー:
≪全文≫

●ロシアにとって誤算だった制裁


 このように、ロシアはハイブリッド戦争を展開しつつ今の戦争を繰り広げているわけなのですが、ロシアにとって痛いのは制裁になってまいります。ロシアは、ここまで制裁が行われるとは、おそらく想定していなかったと思われます。というのは、ロシアはこれまでプロービング、いわゆるいろいろなことを試して、どこまでやったらどのような対抗手段をとられるのかというところを見ながら、もっとも痛手が少ないところで、もっとも多くの利得を得るというようなことをやってきました。

 そういう中で、2008年のジョージア戦争をやっても、2014年のクリミア併合をやっても、そんなに大きな制裁はなかったのです。なので、ウクライナに攻め込んでもそんなにたいしたことはないだろうと思ったと思われます。

 特にロシアはヨーロッパに非常に多くのエネルギーを供与していました。特に天然ガスは、ヨーロッパの対ロ依存率が約4割だったのです。ですので、ヨーロッパにとってもエネルギー安全保障の観点からロシアに制裁をするわけがないだろうと高をくくっていた可能性はきわめて高いわけなのですが、今回は違っていたわけです。

 最高レベルの制裁が行われ、ハンガリー、スロバキアなどの例外はありますけれど、ほとんどのヨーロッパの国々がロシアからもはやエネルギーは買わないということになり、そしてSWIFTからの排除というような形です。ロシアは最高レベルの制裁を受けることになってまいります。


●ロシアが見せた制裁への順応


 では、この制裁、効いているのかということなのですが、結論からいうと、あまり効いていないというより、ロシアはそれに順応してきてしまったということがあるわけです。

 例えば2022年、戦争が始まった年ですが、この年、ロシアは多くの制裁を受けたにもかかわらず、ロシアは前年度よりも多くのエネルギー収入を得ることができていました。なぜかというと、ヨーロッパなどで売れなくなったわけですが、その分、安く、多く、他の国に売ったのです。

 特に、その安いエネルギーを大量に買ったのが中国、インドなどになります。インドに至っては、戦争前より22倍の大量のエネルギーを買っていたわけなのです。インドなどはそれをさらに精製して、ヨーロッ...

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