戦国合戦の真実
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山城から平城へと変わった戦国時代の戦い方の実際とは?
戦国合戦の真実(4)鉄砲が変えた戦の形
日本人はもともと賤ヶ岳の戦いのような山岳戦を好んでいたが、その後、鉄砲の普及など、さまざまな時代の要請を受け、平原合戦が主流となっていく。鏑矢を合図にはじまる合戦では、足軽の配置、馬の使い方など、それぞれの武将が知恵を絞った戦い方を展開したという。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:18分35秒
収録日:2019年11月6日
追加日:2020年1月5日
≪全文≫

●山岳戦から平場の合戦へ


中村 それでは、今度は合戦のところの話をしましょう。合戦の場合、平場(平らなところ)で戦う場合と山岳戦がありますが、日本人はもともと山岳戦が好きなのです。

 賤ヶ岳の戦いなどは明らかに山岳戦で、山の中に小さな砦をたくさん造っておいて、それを小さな桟橋でつないで、兵を移動させながら、木の間隠れに弓矢を射ち合うという戦術です。日本人は足腰のしっかりした人が多いのか、そういう戦を好む傾向がありました。

―― 城も山城が多いですね。

中村 そうです。織田信長の安土城も一種の山城です。しかし、山城で行政を行うのかといえば、そうではありません。行政は京都へ出かけて行います。次の豊臣秀吉の時代になると、京都のほうに城を築くようになりますので、山城は次第に平城に変化していきます。それが時代の流れとなります。

 峨々(がが)たる山の上に巨大な山城を造ると、物資を上げるのが大変ですから。攻めにくいことを目的にして奥深い山の上に造っているのですが、そこで生活する武士団の一族にとっては、人馬の交通に困る。そういったさまざまな時代の要請もあり、だんだん平城が多くなっていきます。平城が多くなると、

 つまり、次第に平場の会戦が得意な武将のほうが、生き残る確率が高くなってくるのです。中学・高校の教科書に書かれている信長の鉄砲の三段撃ちなど、鉄砲の普及も戦術の変化に大きく影響しています。

―― 長篠の合戦でのお話ですね。

中村 鉄砲が有効なのは長篠のように見通しの利くところです。

―― 相当長い柵を取り入れたりしていますね。

中村 そうです。ですから、だんだん平場の合戦が多くなって、平場での戦い方が進歩していく。非常に面白いことに、平場で戦う場合、古代ギリシア、ローマ、マケドニアと日本の戦法はほとんど同じなのです。縦には並ばずに必ず横に長く並びます。縦に並ぶと正面の人間しか戦えないからです。後ろにいる強い兵士が前に出られないのは差し支えがある。横に並べたほうが一気に視界が開けて、数百ある槍や鉄砲を有効に使えるという発想なのです。


●戦は音で始まり、音で進行する


中村 日本人は不思議なもので、お互いに礼儀正しい。最初に神様に今日の運を祈りつつ、お互い敵にこれから開戦することを伝える。そのために鏑矢(かぶらや)を発射します。鏑矢は笛が仕込んである...

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