戦国合戦の真実
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
山城から平城へと変わった戦国時代の戦い方の実際とは?
戦国合戦の真実(4)鉄砲が変えた戦の形
日本人はもともと賤ヶ岳の戦いのような山岳戦を好んでいたが、その後、鉄砲の普及など、さまざまな時代の要請を受け、平原合戦が主流となっていく。鏑矢を合図にはじまる合戦では、足軽の配置、馬の使い方など、それぞれの武将が知恵を絞った戦い方を展開したという。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:18分35秒
収録日:2019年11月6日
追加日:2020年1月5日
≪全文≫

●山岳戦から平場の合戦へ


中村 それでは、今度は合戦のところの話をしましょう。合戦の場合、平場(平らなところ)で戦う場合と山岳戦がありますが、日本人はもともと山岳戦が好きなのです。

 賤ヶ岳の戦いなどは明らかに山岳戦で、山の中に小さな砦をたくさん造っておいて、それを小さな桟橋でつないで、兵を移動させながら、木の間隠れに弓矢を射ち合うという戦術です。日本人は足腰のしっかりした人が多いのか、そういう戦を好む傾向がありました。

―― 城も山城が多いですね。

中村 そうです。織田信長の安土城も一種の山城です。しかし、山城で行政を行うのかといえば、そうではありません。行政は京都へ出かけて行います。次の豊臣秀吉の時代になると、京都のほうに城を築くようになりますので、山城は次第に平城に変化していきます。それが時代の流れとなります。

 峨々(がが)たる山の上に巨大な山城を造ると、物資を上げるのが大変ですから。攻めにくいことを目的にして奥深い山の上に造っているのですが、そこで生活する武士団の一族にとっては、人馬の交通に困る。そういったさまざまな時代の要請もあり、だんだん平城が多くなっていきます。平城が多くなると、

 つまり、次第に平場の会戦が得意な武将のほうが、生き残る確率が高くなってくるのです。中学・高校の教科書に書かれている信長の鉄砲の三段撃ちなど、鉄砲の普及も戦術の変化に大きく影響しています。

―― 長篠の合戦でのお話ですね。

中村 鉄砲が有効なのは長篠のように見通しの利くところです。

―― 相当長い柵を取り入れたりしていますね。

中村 そうです。ですから、だんだん平場の合戦が多くなって、平場での戦い方が進歩していく。非常に面白いことに、平場で戦う場合、古代ギリシア、ローマ、マケドニアと日本の戦法はほとんど同じなのです。縦には並ばずに必ず横に長く並びます。縦に並ぶと正面の人間しか戦えないからです。後ろにいる強い兵士が前に出られないのは差し支えがある。横に並べたほうが一気に視界が開けて、数百ある槍や鉄砲を有効に使えるという発想なのです。


●戦は音で始まり、音で進行する


中村 日本人は不思議なもので、お互いに礼儀正しい。最初に神様に今日の運を祈りつつ、お互い敵にこれから開戦することを伝える。そのために鏑矢(かぶらや)を発射します。鏑矢は笛が仕込んである...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
東横インに学ぶ「女性活躍」の秘策(1)女性支配人が支えるホテル
東横インは97%が女性支配人!女性活躍のきっかけとは
黒田麻衣子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨