ペゼシュキアン大統領とイラン・イスラエル
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イランの外交的メッセージが示す意味と世界への影響
ペゼシュキアン大統領とイラン・イスラエル(4)核保有への野心と外交的メッセージ
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
沈黙から一歩踏み出したイランにおいて、新大統領が最優先課題とするのはイスラエル関係における「沈黙の続行」だろうと思しい。また、核保有への野心を捨てないイランだが、沈黙の影に隠れているのは最高指導者ハメネイ師で、西側において彼の外交的メッセージ、つまり駆け引きに応じるのは誰かということが、今後の世界の方向を示していくだろう。(全4話中第4話)
時間:14分49秒
収録日:2024年8月7日
追加日:2024年10月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●イスラエルのナタンツへの反撃が意味したもの


 皆さん、こんにちは。

 先日は、これまでのイランとイスラエルにおける両国間の直接の応酬についてお話ししました。特にイラン側においては、イスラエルに対する直接攻撃や直接的なブラフを慎重に避けてきたのが、その敷居を越えたのではないか、あるいは敷居ギリギリのところにいるのではないかということでした。

 そのようなイランのイスラエル本土に対する攻撃に対して、イスラエルのほうはイラン中部のナタンツという核開発施設と目される地域を攻撃しました。公には核の「研究施設」と語られている地域を防衛しているレーダーに対してミサイル攻撃を仕掛け、成功するという形で報復したわけです。

 これは、なかなか意味深いことで、イスラエルはその意味について語っておらず、そもそも攻撃したという事実を認めず、何もコメントしていません。しかし、これはイスラエルからすると、イランのミサイル防衛システムというものが、いとも容易に突破できるものであることを間接的に見せたということです。

 つまり、核施設そのものを攻撃するというイラン・イスラエル両者の直接的な対決、確実に戦争を招くような事態にすぐエスカレートするのではなく、その前段として、イランに対する警告を与えた。また、ハーニヤ代表を、いともたやすくピンポイントで暗殺する力を見せた。すなわちイランの防空システムを突破し、そうした行為をピンポイントで行う能力、さらにナタンツの防衛システムを壊す能力を見せつけたわけです。

 これらが何を意味しているか簡単にいうと、イスラエルにとってハメネイ最高指導者の居場所や居住地点に対する攻撃はいともたやすいことだということです。そのような攻撃ができると匂わせ、示唆し、あるいはブラフとして示した。このことは、イランにとって非常に大きな衝撃だったと思われます。

 したがって、イスラエルの与えたメッセージは、非常に確実で誤解しようのないものです。イランの次の行為やそれに対する報復行為如何によっては、イスラエルも報復し、エスカレートするということ。エスカレートというのは、今回のナタンツやテヘランのハーニヤに対する攻撃よりも、さらにエスカレートするようなものになるということを示しているわけです。ですからイランとしては、非常に慎重なものにならざるを得ない。

 したがっ...

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