ペゼシュキアン大統領とイラン・イスラエル
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「沈黙の作戦」からの逸脱!?イランの大規模攻撃の意図
ペゼシュキアン大統領とイラン・イスラエル(3)沈黙からの一歩
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
イランによるイスラエル本土への攻撃は、従来“だんまり”が続いてきた両国関係から新局面への一歩と見られている。いずれも高度に政治的な両国において、「沈黙の作戦」は華々しい行為以上に効果を表してきたが、今や国際世論はイスラエルの非人道性非難に集中している。今後のガザをより注視する必要があるだろう。(全4話中第3話)
時間:9分57秒
収録日:2024年8月7日
追加日:2024年10月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●華々しい行為に値する“だんまり”の効果


 皆さん、こんにちは。

 歴史におきましては、言葉や行動というものが非常に華々しく(英雄的に)見せるほどの政治の振る舞いというものがあります。しかし、言葉や行動が華々しくても、実際にはむしろ予期せぬ危機や破滅を招くことがあります。つまり、そういう派手な行為というか、行動が華々しければ華々しいほど、実際に生じてくる政治の結果は、予知したような成功や勝利ではなく、むしろ危機や破滅を招くことがある。したがって、中東においては、一見すると派手そうに見えることをしながら、それに対して「自分がやった」とか、「自分が報復した」とか、そういうことを語ることは、それほど単純には行われないのです。

 イスラエルとイランという、政治において端倪すべからざる面を持ち、非常な複雑性を持つ国の間においては、こうしたことに関して、単純に言葉で派手なことを言ったり、行動において目指すことをするというようにはならない。言葉で語ることと行動で示すことがイコールにはならず、ときとして“だんまり”を決め込むこともあるわけです。

 いわゆるだんまりというのは、日本人の皆さまであればお分かりだと思いますが、歌舞伎などから一つ例を挙げると、「加賀鳶(かがとび)」があります。「加賀鳶」には、暗い闇の中で、ものを語らず無言で探り合いをしていくようなシーンがあります。これはしばしば、いろいろな舞台でも見られます。

 そして、ときには敵と自分、自分と相手が暗がりの中で、言葉を出さずに探り合いをやっていくわけですが、かすかに体がかすったり触ったりするときに、ある種の「え!」という、危機的なところまでは行かないけれど、ある種の警告を発したり、警告を感じたりするような仕草を感じるような間合いがある。いってしまえば、「加賀鳶」も顔負けのだんまりというものが演じられることが多いのです。


●危機のエスカレーションを封じ込めるだんまり


 現在の局面では、これまでやってきたような、ある種のだんまり中心のイスラエル・イラン関係から、根本的に変わった局面(フェーズ)に入るということ、歴史学的にいえば「新しい局面に入る」ということを、私は今、見ているところなのです。

 そこへ行く前に、だんまりというものを例にして私が語ろうとしている両国関係の特徴としては、例えば(2024年)4月に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
プロジェクトマネジメントの基本(3)プロジェクトのすすめ方
PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方
大塚有希子
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
生成AI「Round 2」への向き合い方(2)ハードで動くCopilot
Microsoft Copilotの革新性…想像がつかない世界に
渡辺宣彦
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄