2020世界の政治経済と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ大統領が中東に引き起こした混乱と危険
2020世界の政治経済と日本(4)トランプ大統領と揺らぐ中東
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
中東問題は世界の安全保障を考える上で、非常に重要な地域である。トランプ大統領は中東の国々に対して極端な対応を取っているため、中東の政治情勢は動揺しているという。イラン、イスラエル、シリア、サウジアラビアなど、この地域の大国はそれぞれ異なる文化的歴史的背景を持ち、対応も一筋縄ではいかない。その難しさとトランプ大統領の対応の問題点を探っていく。(2020年1月23日開催島田塾会長講演「2020世界の政治経済と日本」より全8話中第4話)
時間:6分27秒
収録日:2020年1月23日
追加日:2020年4月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●イラン革命防衛隊司令官の死去とその背景


 次はイラン問題です。トランプ大統領は中東については専門的知識が多いというわけではないはずですが、とにかく波風を立てて混乱を招いているのです。その一つがイラン問題です。

 実はイランは、40年前までは中東で一番の親米国家でした。アメリカに友好的であったパーレビ氏が、イランの皇帝だったわけです。パーレビ氏は、アメリカの空軍のジェット機を自分で運転していました。そして、スキーの名手です。私は一度、イランに講演旅行に招かれたことがあるのですが、イランの首都テヘランの南側に、富士山より高い4000メートル級の連山があります。雪を被っているのですが、そこでパーレビ国王がスキーをしているのが、望遠鏡で見えたといっていました。

 こうした体制が、ホメイニ革命によって転覆させられました。ホメイニ師は、シーア派の世界最高峰の高僧なのです。彼が革命を起こして、パーレビ氏は追放されました。アメリカは、パーレビ氏を見捨てました。続いてホメイニ支持の学生が、アメリカ大使館を占拠して、52人の大使館員を人質にしました。当時のアメリカ大統領はジミー・カーター氏でしたが、人質解放交渉に失敗しました。そこでヘリコプター救出作戦といって、大きなヘリコプターで編隊を作り、砂漠を飛んで縦断しようとしました。しかし、おそらく砂嵐に遭った関係で不時着して、大失敗しました。結局、カーター元大統領は天に祈るのみとなりました。アメリカ大統領で、1期4年だけで辞めるのは珍しいのです。この失態によって失脚したのです。当然、国交を断絶しました。これを繰り返してはならないということで、オスプレイを開発したのです。

 そして、トランプ大統領が、イランとの核合意を離脱しました。イランとは絶対ビジネスしてはならないと、世界中の国に圧力をかけたのです。その結果、イランは経済的に苦境に追い込まれました。「革命防衛隊」と呼ばれる部隊が、イランにはあります。正規軍も他にあって、正規軍は陸軍35万、海軍1万5000、空軍3万という規模です。革命防衛隊は、12万5000人規模です。現在、ロウハニ氏が大統領を務めていますが、イランは宗教国家ですので、宗教指導者であるハメネイ師が最高位なのです。革命防衛隊は、ハメネイ師直下の軍隊です。特に最精鋭のコッズ部隊は、対外政策、諜報活動、テロなどの活動に従事していると...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
三枝匡
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部