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男性は「ほめる」のが苦手?傾聴から始まる「ほめる」技術

「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(2)「ほめる」技術

三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授
情報・テキスト
『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(知的生きかた文庫:三谷宏治著、三笠書房)
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人をほめる目的は何なのか。それは、相手にその行為を繰り返してほしいからである。主体は相手、DMUは相手だということだ。また、考え、伝え、聴き、議論するための「重要思考」の中で、「ほめる」は「聴く」のところに分類される。つまり、「ほめる」ためにはまず相手から聴くことが必須なのだ。そこで今回は、「ほめる練習」を通じて相手への理解とコミュニケーションを深めた具体例を参照しながら、効果的な傾聴の方法を解説していく。(全4話中第2話)
時間:15:29
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/31
キーワード:
≪全文≫

●ほめるも叱るもDMUは相手、相手から聴くことが必須


 では、『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』の2回目にいきましょう。

 前回、重要思考で、「考え、伝え、聴き、伝え合い、議論しよう」といいました。その中でも「ほめる」というものが「聴く」のところに入っています。

 組織が人をほめる目的は何なのでしょうか。組織が人を叱るということの目的は何なのでしょうか。それは、自分が楽しいからほめるわけでも、自分が悲しいから叱るわけでもありません。相手がその行為を繰り返してほしいからほめます。繰り返してほしくないから叱ります。主体は相手です。DMUは相手なのです。

 もし相手がそれに対して納得しないのだったら意味がありません。うまくいった。でも、本当には何がうまくいったと思っているのでしょうか。どの壁を越えたと思っているのでしょうか。まずそれを聴いてあげないと、本当に伝わる、もしくはインパクトを与えるほめ方はできないでしょう。失敗した。どうせ本人も「やっちまった」と思っています。でも、何を失敗したと思っているのでしょうか。そこをちゃんと聴いてあげていないのに、「これがダメだ」「あれがダメだ」と言っても何も意味がありません。

 叱るもほめるもDMUは相手です。だから、相手からまず、何がダイジだったのか、どういう差を自分は生み出したのか、(何を)やってしまったのか、そういったことを聴くことが必須です。


●相手のいちばんのこだわりを深掘りする


 実はこの「ほめる練習」というものを最初にやったのは、女子高です。その女子高は、下から上がっていくところで、途中から入ることがありません。ほぼ幼稚園から小学校、中学校、高校と、ずっと上がっていくのです。そこで授業をやるということになりました。

 最初、4月にやったのは「決める」という授業でした。これはこの次(第3話)にお話をしますけれど、私は彼女たちに言いました。「君たちには決める力がない。なぜならば人生の大きな意思決定をこれまで一度もやっていないからだ。他の子たちは少なくとも高校に上がるときに意思決定をしている。いろんな選択肢の中で調べ、考え、決めているだろう。君たちにはそういう経験がない。でも高校3年生になって、今、人生の意思決定をやろうとしている。だから練習しよう。四月に決める」と。そういう授業を行いました。

 秋になって、もう1回と言われて、何にしようかなということで作ったのが、この「ほめる練習」です。

 私には下心があって、それは何かというと、AO入試、そしてその先の就職もそうですが、面接というものは自分を上手にほめる行為です。「こんなにすごいことをやりました」と(闇雲に)差ばかりを言ってもしょうがないのです。今度の主体は企業であったり、大学であったり、もしくはそこにおける学科です。そこがダイジにしていることは何なのでしょうか。そこにおいて「自分は優れているのだ」「こんなに差があるのだ」と言わないと、面接もうまくいきません。私にはそういう下心がありました。

 そして、最終的には人をほめたいのですが、ちょっと大変なので、モノをほめます。まずは相手の「ジマン」の一品です。「これは私、すごいこだわりがあるのだ」、そういったものを1つずつインタビューして、それで他の人をほめる。そんな練習をやりました。

 モノをほめる、人をほめる、相手をほめる。そして、チームで1人選んで、チームとしての価値観を決め、そのダイジなことにおいて1人をほめあげる。こんな3ステップの授業をやったのです。

 これは皆さん、今すぐはできないと思うので、もし機会があれば周りの数人、4人くらいがちょうどいいので、4人くらいを集めてやってみてください。

 例えば「ジマン」の一品です。1つ、「ジマン」の一品を持ってきてもらいます。もしくはその場で着ているもの、持っているもの、何でもかまいません。こだわりのあるものです。

 4人でやるのですが、2人1組になって、互いにインタビューをしてもらいます。例えば時計だというのだったら、「その時計の何が自慢なの?」と、AさんはBさんの時計についてインタビューします。こんなにすごいのだ、こんなにこれが好きなのだ、といったことを聴くのです。そして入れ替わって、またやります。2分ずつインタビューをし、4人チームに戻って、AさんはBさんの時計がいかに素晴らしいか、他の2人に代わりに「ジマン」してあげるという演習なのです。

 (つまり)2分ずつインタビューをし、それをどうほめるかを考えて、他の2人に上手に「ジマン」するというものです。オン...
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