M&A・悪質買主とどう戦うか
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
M&A業界の健全化、大事なのはデュー・デリジェンス
M&A・悪質買主とどう戦うか(3)正しいM&Aのススメ
河合弘之(さくら共同法律事務所 所長・弁護士/映画監督)
M&A業界の状況は従来とは様相が異なる。売主側だけでなく買主側にも、会社を食い物にする意図がないのか、デュー・デリジェンス(買収監査)が必要になってきた。悪質な買主や仲介業者も多い中、相手を見極める能力が必要とされる。日本の経済界、特に中小企業は、M&Aに負うところが大きい。シリーズ最終話は、売主にとっても買主にとっても有益なM&Aについて考える。(全3話中第3話)
時間:10分45秒
収録日:2025年3月24日
追加日:2025年6月18日
≪全文≫

●悪質買主のあきれた手口


 現在のM&A業界の状況は、今までと少し様相を異にしてきています。

 今までは、いかにいい売り物件を安全に買主に届けるかという視点からのコンプライアンスや透明性が問われてきた。したがって、売買対象になる会社に隠れ債務がないか、何らかの訴訟が継続していないか、不正はないかといった観点からの調査(デュー・デリジェンス)が非常に厳格に行われるようになっていました。

 ところが、買主側については、いわば聖域のように手付かずになっていました。買主側はお金さえ払えばいいだろうということで、買主側の財力や実績、従来のM&Aにおける行動、反社会性といった観点でのデュー・デリジェンスは全く行われない状態だったわけです。悪質買主が現れる社会的な背景は、そこにあったのです。

 本件でいうと、私は先ほどこの案件の最大の弱点ないし食いつきどころは、「T社が売買契約を結んだのに、当初から代金を払っていなかったこと」だと指摘しました。このM&Aは、今振り返ると、T社の目的が九段下のビルだったことは明らかですが、それをすぐに売却するというよりも、その物件を担保に入れて自分の取引銀行から金を借り、借りた金で株代金を払うという狙いだったのではないか。今となっては、そのように推測しています。

 そうしたスキームになると、結局、買主は対象会社が持っている財産をあてにして、それを担保に入れて銀行から金を借りて、株の代金を払う。いわば他人のふんどしで相撲を取るような形になるわけです。


●会社を食い物にする株主や買主


 そのような手法は、往々にして不正を招きます。そもそも会社側から見ると、背任に近いようなことになると思います。株主という個人のために会社の物件を担保提供するということですから、いわば会社が買主候補に金を貸すような形になるわけです。

 こういう取引は、非常に事故を生みやすく、不正を生みやすいと思いますが、そういう大きな流れがある。流れというのは、対象会社の財産をあてにして、会社の株を買い取る代金の資金調達に利用するという、往々にしていかがわしいやり方のことで、これらが増えてきたということだと思います。

 もしもそういう手に乗っていたとすると、朝日出版社自体が財務的に非常に脆弱な状態にさせられる。何かあったらすぐ倒産...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
秋池玲子
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤

人気の講義ランキングTOP10
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生
OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか
桑原晃弥
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
日本の財政の真実を検証する(6)「経済成長3つの源泉」の具体策
現代日本で「経済成長3つの源泉」の具体的プランを考えると?
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(25)《老子の神髄》を学ぶ
【10min解説】田口佳史先生×堀江重郎先生《老子の神髄》
テンミニッツ・アカデミー編集部
老子の神髄(8)『老子道徳経』「辯德第三十三」
「死して亡びざる者は壽なり」…主体的に生きなければ自由はない
田口佳史
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保