この講義シリーズは第2話まで
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エンタテインメントビジネスと人的資本経営
			なぜ二本立ての評価制度が必要か…多種多様な人材の評価法
					エンタテインメントビジネスと人的資本経営(6)評価制度設計と「夢」の重要性
					
							水野道訓(元ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役CEO)
						
					
				
			
			
人的資本経営で非常に大事なのが人事評価制度である。しかし、正解はなく、会社や環境に応じて、形を変える必要がある。ポイントは、短期評価と長期的人材育成を踏まえた二本立ての評価制度設計をすること。たとえばクリエイティブな人材は、年代が進むと会社の認識やユーザーの感性とのズレが起きる場合もある。そのようなことに、どう向き合うかも重要な点である。また、昨今はパーパスが大事といわれるが、それ以上に「夢」を語ることが大事である。人は目標だけではなかなか動かないからだ。最後に「ポジティブ・シンキング&クイック・アクション」の率先垂範をメッセージとして講義を締めくくる。(全6話中第6話)
					
					
						時間:5分26秒
収録日:2025年5月8日
追加日:2025年11月4日
					
					収録日:2025年5月8日
追加日:2025年11月4日
						カテゴリー:											
					
≪全文≫
●短期と長期、二本立ての評価制度が必要
最後に、人的資本の中で非常に重要なのが、人事評価制度(という話)です。当たり前のことをやられている方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と人事評価という制度は正解がないのです。その会社、その環境、置かれた状況の中で、どんどん形を変えなければいけない。これがまずベースとしてあると思います。
大きく分けて人事評価には「短期評価」と、その人間が持っている本来の資質をどれだけ生かしているかという部分での「長期人材育成を踏まえた制度設計」が必要で、「二本立ての評価制度」が必要だと私は思います。
つまり単年度、主に1年を考えたときに、どれだけすごいヒットを出したのか、どれだけ貢献することをやったのかという、短期での評価。もう1つは、その人間が持っている資質、あるいはそこからどれだけ成長しているのかという、3年ぐらいを考えた中での評価。
これを単純に分かりやすくいえば、短期評価は賞与、ボーナスでいいと思います。そして長期人材評価が(基本)給与制度。どちらももちろん、上昇もあれば降格もあります。ただし「給与の1年の降格」は、次の3年にその人が花が咲くならば、やるべきではないと思います。
そのように人事評価制度を二本立てで考えていく。それがその人の成長と、企業成長に合っているやり方ではないかと思います。
「置かれた処で咲きなさい!」ということで、よくありますよね、「今回の人事で、俺はこんなところに来るつもりはなかった」と。このとき自分がやりたいことと他人、主に会社がその人に求めることの違いの認識をちゃんと説明するなり、会社対個人、人事対その社員でコミュニケーションを取って、その違いの認識を埋め合わせていくのは、組織上すごく大切なことです。
私の経験から言っても、30代中盤ぐらいから40歳前後、40代中盤ぐらいまでの10年間が、特にここに陥りやすいのです。なぜかというと、30代中盤ぐらいまでは自分の感性がユーザーの感性に合致している時代です。エンタメなどは特にそうです。
20代から30歳前後は、自分が「この音楽はいけるよね」「この企画はいけるよね」と思ったものが、ユーザーの感性と合致してヒットを生む。これが30代後半ぐらいから、ずれてくるのです。
そこからマネジメントをやれる...
				●短期と長期、二本立ての評価制度が必要
最後に、人的資本の中で非常に重要なのが、人事評価制度(という話)です。当たり前のことをやられている方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と人事評価という制度は正解がないのです。その会社、その環境、置かれた状況の中で、どんどん形を変えなければいけない。これがまずベースとしてあると思います。
大きく分けて人事評価には「短期評価」と、その人間が持っている本来の資質をどれだけ生かしているかという部分での「長期人材育成を踏まえた制度設計」が必要で、「二本立ての評価制度」が必要だと私は思います。
つまり単年度、主に1年を考えたときに、どれだけすごいヒットを出したのか、どれだけ貢献することをやったのかという、短期での評価。もう1つは、その人間が持っている資質、あるいはそこからどれだけ成長しているのかという、3年ぐらいを考えた中での評価。
これを単純に分かりやすくいえば、短期評価は賞与、ボーナスでいいと思います。そして長期人材評価が(基本)給与制度。どちらももちろん、上昇もあれば降格もあります。ただし「給与の1年の降格」は、次の3年にその人が花が咲くならば、やるべきではないと思います。
そのように人事評価制度を二本立てで考えていく。それがその人の成長と、企業成長に合っているやり方ではないかと思います。
「置かれた処で咲きなさい!」ということで、よくありますよね、「今回の人事で、俺はこんなところに来るつもりはなかった」と。このとき自分がやりたいことと他人、主に会社がその人に求めることの違いの認識をちゃんと説明するなり、会社対個人、人事対その社員でコミュニケーションを取って、その違いの認識を埋め合わせていくのは、組織上すごく大切なことです。
私の経験から言っても、30代中盤ぐらいから40歳前後、40代中盤ぐらいまでの10年間が、特にここに陥りやすいのです。なぜかというと、30代中盤ぐらいまでは自分の感性がユーザーの感性に合致している時代です。エンタメなどは特にそうです。
20代から30歳前後は、自分が「この音楽はいけるよね」「この企画はいけるよね」と思ったものが、ユーザーの感性と合致してヒットを生む。これが30代後半ぐらいから、ずれてくるのです。
そこからマネジメントをやれる...
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