エンタテインメントビジネスと人的資本経営
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「土地勘のあるところ、自分たちの武器を持っていく」
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(5)「チーム戦と新規ビジネス」の要点
水野道訓(元ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役CEO)
経営は個人戦でなくチーム戦であり、経営メンバーは「人材の組み合わせ」が大事である。かつて本田宗一郎には藤沢武夫、井深大には盛田昭夫がいたからホンダもソニーも大きくなれた。また、新規ビジネスを始めるときは大事なのは発案者の熱意である。さらに「土地勘のあるところ、自分たちの武器を持っていく」ことも大事で、ソニーがプレイステーションで成功した要因もそこにある。さらに多角化のポイントとして大切なのが「遠心力と求心力のバランス」である。欧米由来の経営に振り回されるのではなく、日本には立ち返るべき経営の心得があることを忘れてはいけない。(全6話中第5話)
時間:12分36秒
収録日:2025年5月8日
追加日:2025年11月3日
≪全文≫

●1人のリーダーを決めるのではなく、「人材の組み合わせ」を考えよ


 ざっと話をしてきて、最後にこの「人材」という部分にスポットを当てて、エンタメの企業を経営してきた経験の中で思った私の信条――これが私の人的資本経営だと思いますが――、それをいくつかお話ししたいと思います。

 まず経営とは個人戦ではなく、私は「チーム戦」だと思っています。先ほどのお話の中で、異能な人と、それをプロデュース、マネジメントする人の組み合わせだと言いました。まさに経営メンバーとは、組み合わせだと思うのです。

 皆さんもご存じのホンダ、ソニー。ホンダは本田宗一郎という天才技術者に、藤沢武夫という大番頭の人がいた。それでホンダは世界に出ていけたのではないか。ソニーもそうです。井深大という希有の研究者、学者さん、どちらかというと技術屋さん。それに対して盛田昭夫というマーケッターがいて、この2人の出会いにより、ソニーがダンッと大きくなれた。

 さらにソニーの盛田昭夫は、その後、大賀典雄という藝大(東京藝術大学)出身のオペラ歌手、つまり芸術に素養のある人を自分のパートナーとして選んだ。そのことが、ソニーが「ソニー・ミュージック」や「ソニー・ピクチャーズ」といったものをつくっていく、きっかけになったのです。

 要するに、人は一人ではなく、必ず組み合わせなのではないか。そう私は思っています。

 もう一つ、よく皆さんからお聞きするのが、「次の世代の経営者は誰にしたらいいんだろう」「次のCEO(最高経営責任者)は誰にしたらいいんだ」というものです。このとき、「個人」を扱うので「彼はこういうところはいいけれど、こういうところが悪い」となり、なかなかそれで決まらない。そうではなく、組み合わせなのです。「彼をトップにしたなら、誰を補佐にするのか」「誰をCFO(最高財務責任者)にするのか」。そういった部分で経営は成り立っていくものだと思います。

 よくある悪い例です。「自分の後継者を選びたいけれど、なかなかいない」と言って、自分の一番与しやすい後継者、自分の価値観から与しやすい人間を次期の人間にする。これも組み合わせですが、ではその次をどうするのか。そうではなく、自分を除いて「この人間と誰を組み合わせたら、この会...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤

人気の講義ランキングTOP10
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(5)ユークリッドとアルキメデス
頭はみんなで共有できる…情報を頭の中に入れないと発見できない
橋爪大三郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(8)アンコンシャスバイアス:前編
バイアスの罠…8割直観と思考の「エコ運転」の自覚が大事
青島未佳
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(1)精神分析の概念とその起源
なぜ心の病にかかるのか?ラカンの精神分析とその起源
斎藤環
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎