エンタテインメントビジネスと人的資本経営
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エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
水野道訓(元ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役CEO)
「エンタテインメントビジネス」とは何か。例えば日本では、株式欄での業種区分に「エンタテインメント」はない。そもそも日本は、経済産業としてエンタテインメントを理解していない。あえて定義するなら「コンテンツによって人を感動させるビジネス」となる。世界のコンテンツ市場をみると、2024年の統計で1位はアメリカでダントツに多く、2位に中国、3位に日本と続いている。成長著しいのが中国と韓国だ。韓国ではかつてIMFショックがあり、当時の政権が文化を基幹産業にすることを決めて以降、大きく予算を増大させ、韓流ブームも起きた。一方、日本はまだ国内での展開が多く、グローバル化への覚悟も足りていないが、実は世界で日本のコンテンツが大きなビジネスになっている。(全6話中第2話)
時間:13分46秒
収録日:2025年5月8日
追加日:2025年10月21日
≪全文≫

●なぜ株式欄に「エンタテインメント」がないのか


 ソニー・ミュージック(の話)が少し長くなりました。それでは「エンタテインメントビジネスとは?」という、このあたりのお話をしましょう。

 まず「エンタテインメントビジネスって何ですか?」と言われたときに、明確に答えられる方はあまりいません。私も本当に明確に答えているか分かりませんが、少し説明していきたいと思います。

 というのは、これだけ今、世の中でエンタテインメントビジネスといわれているのに、株式欄に「エンタテインメント」という欄がありますか。あるいは、それを噛み砕いて「ゲーム」という欄がありますか。「アニメ」という欄がありますか。「音楽」という欄もありません。

 結局のところ、まだ経済構造上、「エンタテインメント」というのは認められていない気がするのです。電話帳にもないのです。このあたり、まだ日本は経済産業として、本当にエンタテインメントを理解していないのではないかと私は思います。

 それではエンタテインメントビジネスの定義を1つ見てみましょう。

 (スライドの)上段にあります「音楽業界」「映画業界」「アニメ業界」「ゲーム業界」「出版業界」――本の出版業界ですが――この5つは、明確に皆さんもエンタテインメントビジネスと思うと思います。ただ、これはIP(知的財産)つまりコンテンツを作り出して、それを世の中に普及させていくことによって事業をやっていく業界です。

 2番目の「テレビ業界」「配信業界」「ライブ興行業界」「演劇業界」、これは結局、主に上段にありますIPコンテンツを普及させていくビジネスです。それらを変化させ、普及させていくための部分で、これを私は「プラットフォーム」と呼んでいます。プラットフォームの事業、これも非常に重要なエンタテインメントビジネスです。

 そして3番目。そのIPコンテンツでさらにビジネスを生んでいくための「玩具業界」、あるいは「劇場・ホール業界」――これは2番目と重なる部分もあると思います――、それから「テーマパーク業界」――これはディズニー、それからユニバーサルスタジオ、これもIPコンテンツを使った、すごく大きなビジネスです――、それから「遊戯業界」――一番大きいのはパチンコで、ここにもIPコンテンツがいっぱい使われます――、この3番目も立派なエン...

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