ブランド戦略論をどう読むか
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「起源の忘却」がブランドの成立にとって重要
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ブランドとは何か…企業の本質的な部分に与えるインパクト
ブランド戦略論をどう読むか(1)ブランドとは何か
田中洋(中央大学名誉教授)
誰もがブランドについて知っているつもりになっているが、実際に議論を始めてみると、何がブランドなのか、何をすればブランド対策になるのか、途端に分からなくなってしまう。中央大学ビジネススクール大学院戦略経営研究科教授の田中洋氏が、著書『ブランド戦略論』のエッセンスを取り出し、ブランドの基本を考え直す。(全7話中第1話)
時間:8分14秒
収録日:2018年1月15日
追加日:2018年3月28日
≪全文≫

●ブランドの基本をもう一度新たに考え直す


 中央大学ビジネススクール大学院戦略経営研究科教授の田中洋と申します。本日は多数の方ご来場いただき、ありがとうございます。またこうした場を設けていただき、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)、蔦屋書店にも感謝申し上げます。本日は最初の30分は私がお話しし、その後はジャーナリストでifs未来研究所所長の川島蓉子氏に加わっていただき、トークセッションを行います。

 今回は、「ブランドってなに?」というタイトルでお話しします。ブランドのことはよく知っていると思っていても、しばしば実際に議論を始めると、それが何なのかが分からなくなってしまうという経験があるのではないでしょうか。私もいろんな企業を見てきて、そうしたことが非常によく起きるのを目の当たりにしてきました。2017年に『ブランド戦略論』(有斐閣)という本を執筆したのですが、その理由は、こうした問いに対する回答を少しでも与えられればと思ったからです。

 私はもともと、電通という会社に、21年間勤めていました。その後、現在は中央大学ビジネススクールで働いています。中央大学ビジネススクールは後楽園にありますが、土曜日曜に講義が開講され、働きながら2年間でMBAが取れるという学校です。そこでは『ブランド戦略論』を使いながら講義をしていますので、ご関心をお持ちいただければ、社会人の方であってもぜひご志願いただければと思います。

 『ブランド戦略論』は私の最新の本ですが、2017年12月に発売されて、もうすでに重版が決まりました。有斐閣の営業の方の努力によるところが非常に大きいのですが、おかげさまでたくさんの方にご購入いただけました。4,000円(税別)という非常に高い本ですので恐縮していますが、有難いことです。

 この本の特徴は、統合ブランド戦略の枠組みを示したということにあります。詳しくは後で少しご紹介しますが、ブランドの最も基本的なところをもう一度新たに考え直しました。例えば、ブランドの定義とは何かといった問題もそうです。


●ブランドとは何かが非常に不明確になっている


 なぜこの本を書いたのか、そのモチベーションからお話ししましょう。先ほども申し上げたように、ブランドをどのように理解したらいいのか、実際の議論になると分からなくなってしまうことがよくあります。特に社内で議論...

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