ブランド戦略論をどう読むか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ブランド成立にはイノベーション後のプロセスが大事
ブランド戦略論をどう読むか(6)イノベーション
田中洋(中央大学名誉教授)
イノベーションを起こし、ブランドとして大成するのには何が重要なのか。中央大学ビジネススクール大学院戦略経営研究科教授の田中洋氏はジャーナリストでifs未来研究所所長の川島蓉子氏との対談で、技術的な発明の後のコミュニケーションやマーケティングこそがイノベーションには欠かせないと主張する。(全7話中第6話)
時間:8分16秒
収録日:2018年1月15日
追加日:2018年4月11日
≪全文≫

●ちゃんと編集をして、組み立てる


川島 シャネルのことを詳しく語っていただいたので、聞いていらっしゃる方もよく分かったかと思います。シャネルの場合、やはり創業のときの構想が強く、それをイノベーションと呼ぶかどうかはともかく、何か革新的な発見があり、しかもそのままでいれば駄目になってしまうところを、2度の転機をうまく利用できたわけです。こうしたことができれば、きっとブランドはうまくいくのでしょうが、しかしそれはどうすれば可能になるのでしょうか。

 私が取材に行くと、変えるものと変わらないものと両方が必要だという話になったり、あるいは伝統は革新の連続であるという話もよく出ます。しかし、それは後から考えた話であって、今でこそイノベーションとして成功したと見なされていますが、実際に何かを新しく試すときには、誰も成功するかどうかは分かりません。だとすると、変えるものと変えないものをどのように分ければいいのでしょうか。

田中 イノベーションを必然的に起こすための法則性はあまり存在しないでしょう。ゼロックスの例で見たように、インベンション、発明はいろいろなところで起きます。しかしそれだけでは駄目なのです。発明を束にして、それをお客さんにとって役に立つものだという形を見せて初めて、イノベーションになります。

川島 確かに、使えない発明も世の中にはたくさんあります。

田中 したがって、例えばiPhoneでもそうですが、記憶装置やスクリーン画面など、様々な発明を束ねて、格好を良くして提示すれば、革新的なものとして受け入れられるわけです。

川島 ちゃんと編集をして、組み立てるということが大事なのですね。使い手にとって、こんなものがあれば良かったと思わせなければならないでしょう。

田中 そうです。シャネルに戻れば、カール・ラガーフェルドがよく言っていたのは、「私がやっていることは、単にシャネルのエレメントを組み合わせているだけだ」ということでした。確かに、ラガーフェルドの作ったスーツを見ても、シャネルスーツの雰囲気をとどめています。ラガーフェルドは、もともとはシャネルが作った革新をうまく再編集することで、シャネルブランドをもう一度よみがえらせたのです。これはもちろんファッションに限らず、他の分野でも同じことでしょう。


●「後プロセス」も大事だ


川島 たまたまご縁があっ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉