ブランド戦略論を考える
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
セルフブランディングが得意だったシャネル
ブランド戦略論を考える(6)シャネル事例からの学び
田中洋(中央大学名誉教授)
ファッションブランドとして著名なシャネル。創業者ココ・シャネルの逸話をひもとき、二度の危機に見舞われながらも、シャネルがいかにしてブランドとして成功してきたのかを、中央大学大学院戦略経営研究科教授の田中洋氏が解説する。(2018年1月27日開催中央大学ビジネススクール/ビジネス戦略論最終日講義「『ブランド戦略論』をどう読むか」より、全7話中第6話)
時間:16分08秒
収録日:2018年1月27日
追加日:2018年8月15日
≪全文≫

●シャネルはなぜこれほどまでに成功したのか


 ここで、シャネルというファッションブランドを考えてみようと思います。シャネルはもともと、ココ・シャネルという女性のデザイナーによって立ち上げられたブランドです。

 シャネルは19世紀的な女性の服を20世紀的な形にしたといわれています。19世紀的な女性の服というと、例えば腕や袖をぎゅっと絞ったり、腰の周りを針金などでぎゅっと締め付けたりと、大変窮屈な服装でした。ココ・シャネルは、シャネルスーツに代表されるように、女性が働きやすい、もう少しゆったりした服を考えたのです。したがって、ココ・シャネルは、19世紀の窮屈な世界から女性を解放したと普通、理解されています。

 実際、シャネルは子どもの絵本にも取り上げられるように、女性の偉人の一人として見なされています。シャネルというブランドの創始者としてのみならず、過去50年間で最も大きな影響を与えたファッションデザイナーとも評価されています。ジュエリーやシャネルNo.5などのフレグランスも、非常に有名です。

 しかし、シャネルはなぜこれほどまでに成功したのでしょうか。彼女はかなり長生きでした。1883年に生まれて、1971年に87歳で亡くなっています。彼女の生涯は、非常に波乱に富んだものでした。


●シャネルは2度ほど、死んだも同然だった時期があった


 私の知る限り、シャネルというブランドは2度ほど、低調な時期がありました。1度目は、第2次世界大戦が終わった後の時期です。第2次世界大戦中、フランスのパリはドイツのアドルフ・ヒトラーによって占領され、蹂躙されていました。その時期、シャネルはヒトラー政権の軍部関係者の愛人だったといわれています。後年、実証的な暴露本が出ました。つまり、シャネルはナチスに協力していたとされているのです。

 そのため、終戦後、シャネルはスイスに逃がれます。戦争中にナチスに協力した人は、戦後、迫害されましたので、当然のことでした。女性は坊主にされて、街の人から石を投げられたという有名な写真があります。シャネルのような有名人が敵方のナチスの軍部の愛人だったというのは、本当に不名誉極まりない出来事だったのです。

 ですから彼女は、スイスに一時、亡命するように逃れていったのです。この時期は当然、パリにあるシャネルのメゾンは閉めてしまいましたし、シャネルブランドなどは見る影...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建