ブランド戦略論を考える
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
ブランドは商品についての「認知システム」だ
第2話へ進む
専門家の間でもブランドの定義は一致していない
ブランド戦略論を考える(1)ブランドは表層的か
田中洋(中央大学名誉教授)
ブランドについて議論を始めると、途端に議論は紛糾してしまう。ブランドはどのように理解すべきか? ブランドは表層的なものにすぎないのか? こうした問いに答えるべく、中央大学大学院戦略経営研究科教授の田中洋氏は2017年に『ブランド戦略論』を出版した。田中氏が執筆の動機を語る。(2018年1月27日開催中央大学ビジネススクール/ビジネス戦略論最終日講義「『ブランド戦略論』をどう読むか」より、全7話中第1話)
時間:10分09秒
収録日:2018年1月27日
追加日:2018年7月11日
≪全文≫

●ブランドについて議論すれば、議論百出になる


 今回は、私が2017年12月に出版した『ブランド戦略論』(有斐閣)の意図や内容について、説明したいと思います。本全体の議論を短時間で要約してみるつもりです。本書は4部構成で、特に第4部の「ケース篇」にはさまざまな事例を収録しましたので、ぜひご覧いただければと思います。

 この本の特徴の一つは、統合的ブランド戦略(Integrated Brand Strategy)の構想です。つまり、これまで言われてきたいろいろなブランド戦略のエレメントを、一つに束ねようと試みたのです。

 本書を書いた動機の一つは、ブランドとは何かという議論を整理したいと思ったからでした。ブランドというものをどのように理解すればいいのか、しばしば分からなくなってしまうことがあります。会社でも経験があるでしょうが、ブランドについて何か議論をしようとすると、議論百出の状態になり、議論が紛糾してしまうのです。

 確かに、自社のブランドが弱いため、それを強化したいという点では誰でも一致します。しかし、その次のアクションをどう打てばいいのかという段になると、ブランドというものが非常に曖昧になってくるのです。

 先日、大阪のある企業の人に聞いたのですが、ブランドについて議論をすると、議論が百出してきて、揚げ句の果てには、ブランドがないことがわが社のブランドだという意見も出てくるようです。ブランドとは何かから始まり、ブランド力と商品力、技術力、営業力の違いにいたるまで、議論はこんがらがっています。

 結局、ブランドのために何をすればいいのかという点に話が及ばないうちに、議論が終わってしまう場合も多いようです。こうした論点を整理して、ブランドについてうまく議論ができるようにしたいというのが、本書の執筆の動機でした。


●ブランドは一見表層的だが、実質的な影響を及ぼしている


 動機はもう一つあります。ブランドは非常に表層的なことのように考えられがちです。ブランドよりももっと深い事柄が大事だとか、商品力や技術力、組織力の方が重要だという議論も出てきます。表層対本質と捉えられてしまうと、結局、ブランドのような見かけだけを議論しても無駄だ、格好だけつけても仕方がないという結論に至ってしまいます。

 実際、ブランドが表層的なことなのか、ある...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(6)『閉された言語空間』の問題意識
江藤淳と喧嘩…加藤典洋『テクストから遠く離れて』の意味
與那覇潤
大谷翔平の育て方・育ち方(9)大きな使命感を持って
「野球人気の回復に貢献したい」――大谷翔平の強い使命感
桑原晃弥
新しいアンチエイジングへの挑戦(6)ビタミンとお米とアンチエイジング
日本人に必要な栄養素は?幹細胞治療をどう考える?
堀江重郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉