ブランド戦略論を考える
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
無印良品の原点となったブランドの「構想」
ブランド戦略論を考える(4)3つの事例とブランドの構想
田中洋(中央大学名誉教授)
ブランド戦略の根幹には、ブランドの構想が深く関わっている。中央大学大学院戦略経営研究科教授の田中洋氏が、レッドブル、住友不動産の新築そっくりさん、そして無印良品を取り上げ、どのように原点となるブランドの構想が生み出されたのかを解説する。(2018年1月27日開催中央大学ビジネススクール/ビジネス戦略論最終日講義「『ブランド戦略論』をどう読むか」より、全7話中第4話)
時間:8分08秒
収録日:2018年1月27日
追加日:2018年8月1日
≪全文≫

●レッドブルの構想はリポビタンDがきっかけとなった


 ブランドの構想について、別の例を挙げましょう。レッドブルというエナジードリンクがあります。これはもともと、オーストリア人のディートリッヒ・マテシッツ氏が考案したものです。

 彼は1980年代、ユニリーバの仕事でアジアを旅行していました。タイを訪れた時、ちょうど日本の高額所得者リストがニュースで流れているのを目にします。まだ日本の税務当局が、高額所得者のリストを堂々と発表していた時代です。第1位になっていたのが、大正製薬の当時の会長、上原正吉氏でした。

 これを見たマテシッツ氏は非常に驚きます。なぜ、製薬会社の会長が日本の高額所得の第1位なのでしょうか。当時の日本は、車や電器で有名でしたから、驚くのも当然かもしれません。彼は大正製薬について調べ始め、リポビタンDを作っている会社だということを知ります。そしてさらに、リポビタンDをはじめとする栄養ドリンクが、アジア各地で非常に人気があるということを発見していくわけです。

 これがエナジードリンクという新しいカテゴリーをつくるきっかけとなりました。このようにレッドブルは、ある種の出来事がきっかけとなってブランドの構想を得た例になります。


●新築そっくりさんは大震災の風景を見て構想された


 さらに、住友不動産の「新築そっくりさん」というブランドがあります。これは全面リフォームのブランドです。住友不動産は、不動産会社の中で日本では三菱、三井に次ぐ第3位ですが、事業の構造として非常に特異なのが、こうしたリフォーム事業でかなり稼ぎだしているという点です。

 そもそも住友不動産がリフォーム事業を始めたきっかけは、1995年の阪神淡路大震災でした。大震災で亡くなられた方の約7割が、建物による圧死でした。建物の下敷きになってなくなった方が非常に多かったのです。当時、高島準司社長がこうした大震災の風景を見て、思い付きます。家が古くなっても倒れることがないよう、そのまま安全にリフォームができる仕組みをつくればいいのだ、と。こうして、新築そっくりさんという全面リフォームの事業を立ち上げるに至ったのです。

 ただ、全面リフォームの事業はそれほど簡単ではありません。大工さんは、あまりリフォームをやりたがらないようなのです。部分リフォームは比較的簡単なのですが、全面リフォームのように...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
現在の宇宙の姿(2)太陽系から星の世界へ
太陽系とその外に広がる星の世界との関係
岡村定矩
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子