ブランド戦略論を考える
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ブランド価値とは何か…ディズニーレシピから見えるもの
ブランド戦略論を考える(3)ブランド戦略の構想
田中洋(中央大学名誉教授)
中央大学大学院戦略経営研究科教授の田中洋氏は、ブランド戦略とは営業から販促、広告、企画、経営を含む、幅広い活動だと主張する。日々の活動の一つ一つがブランド価値と直結しているからだ。とりわけ、ブランドの根幹に関わる構想について、ディズニーの事例を取り上げて解説する。(2018年1月27日開催中央大学ビジネススクール/ビジネス戦略論最終日講義「『ブランド戦略論』をどう読むか」より、全7話中第3話)
時間:10分46秒
収録日:2018年1月27日
追加日:2018年7月25日
≪全文≫

●ブランド価値は、商品が売れるための前提条件だ


 次に、ブランド戦略について見ていきましょう。簡単にいえば、ブランド戦略とはブランド価値を高めるような企業活動だと考えてください。では、ブランド価値とは何でしょうか。私の調査では、ブランド価値を表す指標は少なくとも25個もあります。

 例えば、有名なところではブランド認知度です。認知度とは、ブランドの名前がどれぐらい知られているかという程度を表します。ほとんど100パーセントの人がマクドナルドという名前を知っていますが、他方でドムドムバーガーはひょっとすると50パーセント程度の人しか知らないかもしれません。こうした認知度が高い方が、低いよりは良いでしょう。

 ブランド価値を表す指標として、他にも連想というものがあります。マクドナルドと聞くと、例えばドナルド・マクドナルドというキャラクターや、シンボルになっているゴールデンアーチ、あるいは店の雰囲気といったさまざまなことを思い出します。さらに、知覚品質という指標もあります。これはブランドから連想される商品の品質を指します。

 こうした指標で測ることのできるものが、「ブランド価値」と呼ばれています。ブランド価値は、商品が売れるための前提条件です。確かに、ブランド価値が高いからといって、必ずしも絶対に売れるということではありません。しかし、ブランド価値が低いよりは、ブランド価値が高い方が売れるための条件がそろっているといえるでしょうし、売れ続けるということもあるでしょう。

 いわゆるロイヤルティーに関係しますが、高いブランドロイヤリティーは、その商品が売れ続けるための前提条件になっているため、ブランド価値を高めるということは重要です。Eコマースが発達してきた現代では、特にそうでしょう。

 現代では、Eコマースでも他の流通でも、われわれが物を自由に選ぶ条件が、ますます満たされてきています。Eコマースが典型的ですが、場所や時間を問わず、好きな物を買うことができます。しかも、いろんなブランドから選ぶことができます。こうなれば、ブランドが知られている方が知られていないよりも、買われる確率はより高くなります。したがって、特に現代では、こうしたブランド価値を高める企業活動が非常に重要になってきているのです。


●普通の活動が、結果的にブランド戦略と関わっている



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