知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「プロセスの質」こそがイノベーションの結果を決める
第2話へ進む
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
遠山亮子(中央大学 大学院 戦略経営研究科 教授)
イノベーションを起こすためには、知識の創造が必要である。しかし、知識はどのようにしてつくり出すことができるのだろうか。暗黙知と形式知に知識が整理された上で、それが4つの過程を経てつくられていくことが議論されるシリーズレクチャー。今回はその前提としてイノベーションと価値創造について解説する。(全9話中第1話)
時間:9分30秒
収録日:2018年11月24日
追加日:2019年8月22日
≪全文≫

●現在の日本ではイノベーションが起こっていない


 さて、知識創造戦略論です。私は講師の遠山です。この講義では、知識を創造し活用する組織プロセスについて理解するということが目的になっています。

 さて、知識創造戦略論ということですが、知識創造とは何かという前に、まずイノベーションについて少しお話をしたいと思います。

 日本政府は、2006年に「イノベーション25」と呼ばれる戦略指針の作成を表明、翌年閣議決定していますが、その中にこういう言葉があります。

「日本のような人口減少国家の唯一の持続可能な経済発展の手段は生産性の向上であり、その源泉が世界を視野に入れたイノベーションである」

 つまり、イノベーションが大事だといっているわけです。それ以降、政府は、実はさまざまなイノベーション向上のための施策を取っていますが、どうもそれ以来、10年以上たっても、日本がイノベーションを活発に行うようになったという話はあまり聞きません。

 これについて、レスター・サローという有名な経済学者が2010年にインタビューに答えて、こうスライドのように言っています。

 非常に厳しいことを言っていますが、それ以来8年以上たって状況が変わったかというと、どうも変わっていないような気がします。彼は、このまま日本がイノベーションを起こさなければ、失われた20年どころではなく、このままいくと失われた30年になると警告しています。


●イノベーションとは、価値の新しい提供の仕方


 そもそもイノベーションとは何かという話をすると、経営学の教科書を読むと、イノベーションは「技術革新」と訳されています。技術を何か新しくすることです。しかし実際には、イノベーションは新しい価値、または価値の新しい提供の仕方と定義されています。先ほど出てきたイノベーション25においても、そう定義されています。

 なぜイノベーションが重要かというと、すごく単純です。お客さまが「これは本当に価値がある」と思うものを企業が売り出せば、製品でもサービスでもビジネスモデルになります。本当に価値があるとお客さまが思ってくれてお金を払ってくれなければ、企業は存続していけないからです。だから、それができなけれ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
老子の神髄(5)玄人と小国寡民
したたかで超越的な知恵…見えないものを見ようとする知的好奇心
田口佳史
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
メンタルヘルスの現在地とこれから(2)職場のコミュニケーション
昭和の常識は非常識…令和の世ではマイクロアグレッション
斎藤環