知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
知識は主観的であり、真実にしていくプロセスである
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(4)そもそも知識とは何か
遠山亮子(中央大学 大学院 戦略経営研究科 教授)
知識は人、物、金と違って、関係性の中でつくられる。人と人とが関係する中でつくられるものだということである。そして知識は、信じられ、真であり、正当化されるものと定義される。特に知識にとって重要なのは、信じることである。(全9話中第4話)
時間:11分22秒
収録日:2018年11月24日
追加日:2019年8月22日
≪全文≫

●「人が関係性の中でつくる資源である」とはどういうことか


 「人が関係性の中でつくる資源である」とはどういうことか。第一に、人と人との関係性や人と環境との関係性を考えることが、知識を考える上では非常に重要になるということです。近代科学は「要素還元型」といわれています。それは物事をどんどん小さくしていけば理解できるようになるということです。物質を分子に還元し、原子に還元し、素粒子に還元していけば、物質のことがよく分かる。人間を臓器に還元し、細胞に還元し、DNAに還元していけば、人間のことが分かるようになるというのが近代科学です。

 でも知識においては、その間の関係性を見ていく必要性があります。奥さんが、「あなた、私のこと分かってないわ」といったとき、奥さんをDNA解析して「これが君だ」といったらぶっ飛ばされますよね。「あなた、私のこと分かってないわ」というのは、あなたと私の関係性の問題です。その奥さんは、例えば近所の人であったり、子どもであったり、その奥さんの親であったり、そういう人たちとは、また別の関係性を築いています。そのときには、その奥さんはまた別の人だということです。

 それと同じように、知識というものを考えるときには、人と人との関係性、あるいは人と環境との関係性というものを考える必要性があるのです。だから、物事を細かく分析していくだけでは不十分だということになります。

 もう一つ、「人がつくる資源である」とはどういうことかというと、当たり前ですが、人は一人一人違うということです。そうすると、人が主観というものを取り扱う必要性があります。私がどう思うかということを考えます。私が見る世界と、あなたが見る世界は違うということを、どう一緒にしていくか。違うだけでは駄目なのです。これをどう綜合していくかが必要になるということです。

 もう一つ、これは当たり前のことですが、人には心があります。物ではありません。機械の部品でもありません。人ですから、心があります。実は、知識においては人の価値観とか感情とか人が持つ理想とか、そういうものがものすごく大きく関わっています。こういうことを無視して人を単純に機械の部品と考えて取り扱うと、知識というものを理解できないということになる...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭

人気の講義ランキングTOP10
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
クラシック音楽で世界史がわかる…宗教音楽からクラシックへ
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子