知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
多様性と一貫性という矛盾をどう綜合していくのか
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(5)弁証法的綜合による新たな価値創造
遠山亮子(中央大学 大学院 戦略経営研究科 教授)
日本企業は従来、アメリカの真似をしながら効率性を追求してきた。だが現在は異能異端な人間を含めた多様性を追求することで、新たな知識を生み出す必要がある。企業は、知識を活用し、主体的に環境をつくりかえていくことができるのである。(全9話中第5話)
時間:11分57秒
収録日:2018年11月24日
追加日:2019年8月22日
≪全文≫

●知識は視点の違いから生まれる


 知識は、実は先ほどいったように個人の主観が大事になります。なぜかというと、視点の違いから生まれるからです。知識と情報は非常に似たような性質を持っていますが、では知識と情報は何が違うかというと、簡単にいうと、知識は「意味のある情報」と定義されています。現象やデータ、これが情報ですが、その背後にどういう意味があるかを読み取るのは人間の主観です。

 例えば、ペットボトルの中に水が200cc入っているというのはデータであり、情報です。でも、それをペットボトルの半分が空と思うか、半分に水が入っていると思うかという意味を読み取るのは人間の主観です。人によってはペットボトルの半分が空だと思って水をつぎ足すかもしれないし、人によってはペットボトルの半分に水が入っていると思って、その水を飲み干すかもしれない。それは人の主観によって違うわけで、その主観が違うからこそ新しい意味、知識が創造されるわけです。


●知は視点の違いを綜合することによって生まれる


 そうすると、ただ違うだけでは駄目で、その違う視点というものを、どう綜合するか。綜合は弁証法的綜合における「綜合」という意味ですが、それぞれ異なる主観を綜合、つまり一緒にして、どちらか選ぶのではなく、どちらも合わせて新しい主観というものを、どうつくっていくのか。主観、すなわち私がこう思うというだけではなくて、それを客観化して、他の人から見てもそうだと思えるから、新しい知が生まれてくるわけです。

 だからその主観を綜合して、どう客観化していくのかということが、知識の創造には重要になってきます。


●多様性と一貫性という矛盾をどう綜合していくのか


 そうすると、組織の問題としては多様性と一貫性という矛盾を、どう綜合していくのかという問題が起こります。企業は、組織として一緒に働いていくためには一貫性が必要になります。でも、新しい知をつくろうと思えば、一方で多様性というものが必要になります。

 アメリカの大学で、ある先生が実験をやって、学生を2種類のグループに分けました。一つのグループは、基本的に白人のアメリカ人だけで構成された、文化的に同一なグループです。もう一つは別のいろいろな、アジア人も黒人も、あるい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
「進化」への誤解…本当は何か?(2)「進化論」対「創造論」
「進化論」対「創造論」…アリストテレスの目的論とは?
長谷川眞理子
新しい循環文明への道(2)都市鉱山のデジタルツイン
都市鉱山のデジタルツイン…金やレアアースの宝庫がわが国に
小宮山宏
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠