知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「プロセスの質」こそがイノベーションの結果を決める
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(2)イノベーションとプロセスの質
遠山亮子(中央大学 大学院 戦略経営研究科 教授)
イノベーションを起こすとき、もっとお金があればと思う人は多いが、実はそれが必ずしもいい結果に結び付くとは限らない。イノベーションの結果を決めるのは「プロセスの質」だという。今回は、イノベーションについて見ていく上で考えなければいけないポイントを解説する。(全9話中第2話)
時間:9分17秒
収録日:2018年11月24日
追加日:2019年8月22日
≪全文≫

●「プロセスの質」こそがイノベーションの結果を決める


 イノベーションは物の生産とは少し違います。物の生産には、実は「生産関数」と呼ばれるものがあって、これは簡単にいうと、どれぐらいのインプットを入れたら、どれぐらいのアウトプットが出るかということがあらかじめ予測できるということです。ところが、イノベーション理論では、そういう生産関数で予測することができません。これだけ頑張った、これだけお金も使ったから成果が出る、とは限らないということです。

 ブーズ・アレン・ハミルトン(Booz Allen Hamilton)というコンサルティング会社が世界の大企業1000社を調査した結果、分かったことは、研究開発費の増加は、より良い成果には必ずしも結び付かないということです。英語の文ですが、「ポケットブック(小切手帳)ではなくてプロセス」とあり、「プロセスの質」こそがイノベーションの結果を決めるのであって、お金が決めるわけではないということです。イノベーションを起こすときに、もっとお金があればと思う人は多いと思いますが、実は、それが必ずしもいい結果に結び付くとは限りません。

 では「プロセスの質」とは一体、何なのかというお話を、今後していきます。


●イノベーションとオペレーションは違う


 イノベーションとオペレーションは違います。数年前まで中央大学で客員教授をやっていた小林三郎さんという、ホンダでエアバッグを開発した人がいます。大変面白い人です。今、アカデミーの方で事業を持ってもらっているのですが、その人が言っていますが、オペレーションとイノベーションは違って、企業はオペレーションも大事です。オペレーションとは決まったことをきちんとやることです。

 企業の業務の95パーセントはオペレーションの話なのですが、成功率は95から98パーセントです。要するに、それ以上、失敗する率が高いと企業として成り立たないということです。ちゃんと物が生産できるとか、ちゃんと販売戦略が実行されるとか、そういったものがオペレーションです。

 手法としては論理分析ですが、イノベーションは業務の中でわずか2から5パーセントぐらいしか占めていません。期間がずっと長くて、成功率は10パーセント以下です。多くの場合、問題は、企業が多数派...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生
OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか
桑原晃弥
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
中国春秋戦国時代と始皇帝(8)合従軍と秦の激闘
合従軍、秦に迫る!…秦王・嬴政を滅ぼしかねなかった激戦の史実
鶴間和幸
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
編集部ラジオ2026(25)《老子の神髄》を学ぶ
【10min解説】田口佳史先生×堀江重郎先生《老子の神髄》
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(9)ユダヤ人の多様性
ユダヤ人は一枚岩ではない…米国ユダヤ人のイスラエルへの違和感
鶴見太郎